紀伊國屋書店は、イースト及びシナジー・インキュベートとタイアップし、大学市場における学術論文や教材などのデジタルコンテンツの制作から配信に至る一連の業務を総合的に支援するサービス「KICX(Kinokuniya Intelligent Cosmos based on XML、キックス)」の販売活動を開始すると発表した。基盤技術として世界標準であるXMLを中核に据え、JPEG2000、UCS、PDF等を採用し、インターネット上における学術資源の共有化と標準化を目指す、としている。
発表によれば、紀伊國屋書店では、全国の大学図書館や研究者を中心に学術専門書販売や貴重書のデジタル化業務の受託などの経験をもとに、大学から外部に対する情報発信の遅れや不備の問題を解決するための調査・研究に取り組んできた。その成果の一つが、今回発表される「KICX」サービスだという。
KICXは、紀伊國屋書店が大学における学術・教育コンテンツのデジタル化業務からインターネットを使用した編集作業、完成したデジタルコンテンツのWEB配信、WEB型専門辞書と学内教材との横断検索、外字や異体字への対応、より安全なデジタルコンテンツの受け渡しなどの機能を有し、「知的資源のより円滑なロジスティクス」を実現しようとするもの。
このサービスを実現するために、出版界におけるXMLソリューションで幅広い実績をもつイーストと国立情報学研究所等の基盤技術開発等で定評のあるシナジー・インキュベートが開発・運用面で協力を行う。KICXサービスはASP(Application Service Provider)型を基本形とするが、当面は大学のIT環境の整備状況や大学の要望に応じて、大学内サーバを利用する個別対応も行う予定。また、岩波書店、研究社、大修館書店等の出版社の協力を得て基本的な辞書・事典のWeb配信サービス「eRef(イーレフ)」や「JapanKnowledge」との提携サービスも実施する予定。
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