オープンソース普及促進・開発団体のOpen Source Development Labs(OSDL)が、次期Linuxカーネルのテストバージョンをリリースした。このバージョンは、年末までに正規バージョンとして確定される可能性がある。
OSDLは27日(米国時間)、Linux 2.6カーネルの最新ベータ「test9」をリリースした。OSDLでは、開発者やハードウェアメーカーに対して、これをダウンロードし、よくテストして、発見したことをOSDLに報告するよう奨励している。
OSDLは、テストで発見された点を、OSの中核部分であるカーネルの最終バージョンに反映させる。Linux 2.6には、従来のバージョンよりも同時に稼動できるプロセッサ数が多いなどの特徴がある。OSDLによると、Linux 2.6は64プロセッサのサーバでテストされており、また32プロセッサマシンでは問題なく動作するという。
デスクトップバージョンのLinux 2.6では、マウスやキーボードなどの周辺機器の交換が、これまでより簡単になる。なお、現行のLinux商用バージョンはLinux2.4だが、偶数のバージョン番号は商用リリース、2.5など奇数の番号は開発バージョンを表す慣習がある。
「大企業やソフトウェアメーカーにカーネルを試してもらう時がきた。彼らの意見をLinux 2.6の最終的な製品リリースに反映させたい。彼らにとって、これが最後の大きなチャンスだ」とOSDLフェローのLinus Torvaldsは声明のなかで述べている。
カーネルのリリース日は明確には決まっていない。カーネルの完成を決める最終的な権限は、Linux開発の中心的人物であるTorvaldsとAndrew Mortonの2人にあるが、いまのところ、昨年時点の予想よりも若干ずれ込んで、今年末になるだろうとOSDLの代表者は述べている。なお、最初のテストバージョンは今年7月にリリースされている。
Linuxは、WindowsやUnixベースのサーバよりコストパフォーマンスの良いサーバOSとして、金融や銀行など複数の業界で幅広く採用されている。OSDLには、米IBMや米Red Hat、米Hewlett-Packard(HP)、NTT Data Intellilinkなどが参加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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