米IBMは10月22日(米国時間)、中規模の企業に向けたコンテンツマネジメントサーバを発表する。
同社は、新製品「DB2 Content Manager Express」を、サーバ1台あたり9375ドル、ユーザー1人あたり1063ドルの価格で提供する。なお、このなかには1年間メンテナンス料が含まれる。このソフトウェアは、企業内にある文書のほか、画像やメディアファイルのような情報を蓄積、管理するために使用される。
DB2 Content Manager Expressは、高速インストールや管理作業を容易にする自動管理機能など、中小企業向けの機能を搭載する。現行のDB2 Content Managerの簡易版である同ソフトウェアは、IBMが同社の基幹ソフトで展開しているExpressシリーズの最新製品となる。
DB2 Content Managerのマーケティング担当ディレクター、Deb Taufenは、同製品の価格について、再販業者のようなビジネスパートナにとって魅力的なものにするための値付けにしてあると述べた。再販業者は、中小規模の企業への重要な販売チャネルで、これらの企業は、IBMのような巨大IT企業からソフトウェアインフラとなる製品を直接購入するよりも、コンサルティング企業から出来合いのアプリケーションを購入する傾向が強い。
アナリストによると、コンテンツマネジメントは、ソフトウェア企業にとって、成長の鍵を握る分野だという。Enronの会計操作やサーベンス・オクスレイ法(Sarbanes-Oxley Act:米国企業改革法と呼ばれ、証券取引にかかわる情報開示の正確性と信頼性を高め、投資家を保護するもの。Enron事件やWorldcomの粉飾決算が社会問題となり、2002年7月に制定された)などのできごとによって、企業ドキュメントを集中管理するプロセスへの関心が高まっている。
米Vignetteや米Interwovenのように、コンテンツマネジメントに特化した企業はすでに多数存在しているが、IBMやOracleのような総合IT企業が今後自社の製品群にコンテンツマネジメント機能を追加するようになると、アナリストは予想している。
IBMでは、コンテンツマネジメント分野について、重要な成長分野として捉えており、今年初めには同分野の研究開発を25%増強し、また2000の人員を販売からデータマネジメント部門へ異動すると発表している。
昨年、同社はTarian Softwareを買収。この企業は、記録の保存や管理技術の開発に特化していた。IBMは、Tarian製品をDB2 Records Managerとして模様替えし、同バージョン3.1ではJavaを使って基本となるコードを書き直している。
他のIT企業も、これと似た動きに出ており、自社のコンテンツマネジメント製品の強化を図っている。ストレージ企業の米EMCは先週、ドキュメント管理技術を開発する米Documentumを17億ドルで買収した。また加Open Textは10月21日、ドイツのIxos Softwareを約2億600万ドルで買収した
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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