SAPジャパンとKDDI、「GPSケータイ」を活用した顧客管理システムを提供

 SAPジャパン(藤井清孝社長)とKDDI(小野寺正社長)は10月15日、両社共同で「モバイル顧客管理システム(CRM)」を開発し、11月から提供開始すると発表した。日常の携帯電話上で動作するGPSの位置情報を活用したCRMは、今回が日本で初めての試み。

 「モバイル顧客管理システム(CRM)」は、SAPの統合顧客管理システム「SAP CRM」と、KDDIの「GPSケータイ」を利用した位置情報提供サービス「GPS MAP」を連携したシステム。保守サービスや営業業務の計画・運用の両面を通じ、効率化と顧客サービスレベル向上の実現を目指して開発したもので、外勤保守サービス員や営業員をもつ企業向けに両社で提供していく。

 新システムを保守サービス業務に導入することによって、保守センターは障害が発生した顧客の位置情報を特定し、「GPSケータイ」を所持する保守サービス員のなかから必要なスキルをもった保守サービス要員を地図上から探し出すことが可能になる。また、保守サービス員は、「GPSケータイ」を通じて、顧客の位置情報や障害情報の詳細、その対処方法などを即座に知ることができ、障害対応作業を効率良く行うことができるようになる。

 さらに、「GPS MAP」のもつ「移動履歴表示サービス」と、SAP CRMの「要員配置計画機能」を組み合わせることで、障害発生時の対応だけでなく、保守サービス員の配置を計画する段階でも、移動時間などの無駄がない保守サービス員派遣計画を立てることができ、製品保守サービスの全体最適を図ることが可能。

 このほか、新システムを営業支援業務に導入した場合は、社内の顧客管理システムに登録されている顧客情報に「GPSケータイ」で外部からアクセス、最短な経路を取得することができる。顧客訪問後は営業活動を「GPSケータイ」経由で顧客管理システムに登録できるため、日報のための帰社が不要になるとともに、日報への訪問先自動登録、旅費の自動計算などさまざまな支援を提供でき、営業業務の効率化、戦力化を図ることができる。

 両社では、2004年末までに製造業を中心とした保守サービス業務用途で20社、金融業を中心とした営業支援業務用途で10社の導入を目指す。

SAPジャパン
KDDI

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