ブラウザ特許訴訟、さらに加熱--米MSにIE配付差し止め申請

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 米Eolas Technologiesは6日(米国時間)、米MicrosoftによるInternet Explorerブラウザの配付を無期限に禁止するよう求める申し立てを行った。極めて重大な影響を及ぼすこの特許侵害訴訟を巡って、両社はいま訴訟合戦を繰り広げている。

 Eolasはイリノイ州シカゴの米国連邦地方裁判所に対し、Eolasに認められた特許によって保護されるやりかたで、プラグインアプリケーションを実行できるIEの配付差し止めを請求した。同社はカリフォルニア州立大学が保有するブラウザのプラグイン特許のライセンスを受け、これを供与することのできる唯一の企業。

 Robins, Kaplan, Miller & CiresiのMartin Lueckは、インタビューの中で、「特許料を精算し、ライセンスを受けるつもりがないのであれば、この技術を使うべきではない」と語った。

 8月に、Eolasの特許侵害の訴えが法廷で認められてから、ウェブはこのブラウザ特許の問題で大騒ぎとなっている。裁判にあたった陪審員は、MicrosoftのIEブラウザが、Eolasの特許を侵害していることを発見したと、その評決のなかで述べている。いわゆるプラグインに関連するこの特許は、ブラウザが外部アプリケーションを起動する際のやり方を記述したもので、Macromedia、Adobe Systems、RealNetworks、Apple Computer、Sun Microsystemsや、その他多くのソフトウェア企業が開発するアプリケーションに影響を与える。

 また、マイクロソフトや各プラグイン開発元だけが、Eolasの特許によって、夜も眠れない思いをしているわけではない。

 ウェブサイトの開発者たちは、作成したウェブページを大きく書き換えるか、それともMacromedia Flashのような広く使われている技術を取り去るかという選択を迫られる可能性に直面している。さらに、ノルウェーのOperaをはじめとする他のブラウザメーカーや、Hewlett-PackardやAppleが依存している2つのオープンソース開発プロジェクトもまた、プラグインの利用に関して、不透明な先行きに直面している。

 Lueckによると、Eolasのプラグインに関するライセンスを保有するアプリケーションプロバイダーや社内イントラネットでの利用に限り、Eolasは現状のままでの配付をMicrosoftに対して認めるという。

 ただし、現在までのところ、Eolasではそのようなライセンスを認めたことはない。

 Lueckはさらに、今回の申請が認められても、プラグイン機能を無効にすればMicrosoftはIEを配付することができるとも語った。

 Microsoftは、6日にプレビューを行い、また来年初めには投入を予定しているIEの修正版により、特許と潜在的な差し止めの両方の問題を回避できる見通しだという。

 この修正版では、IEが、ActiveX Controlを使ってプラグインソフトを起動するページを表示する際のやり方が変更されている。Microsoftはまた、開発者に対して、特許で保護されたプラグインを使う方法を迂回するやりかたで外部アプリケーションを呼び出すための、いくつかの方法を奨めている。

 LueckおよびEolas創業者のMike Doyleは、IEのプレビュー版を詳しく調べているところだと語り、そのメリットについてはコメントしなかった。

Microsoftの言い分

 Microsoftは、5億2100万ドルの支払い命令取り消しと、再審を求めるための申請を、6日に行った。

 同社のWindows部門ゼネラルマネジャー、Michael Wallentは、「我々が提出した裁判書類によって(6日に)概要が明らかにされた通り、我々には判事による再審を求めるだけの、相当な根拠がある」と語った。

 同社は、陪審員の判断に不自然な偏りがみられたことや、Eolasの特許以前に存在し、検証の必要があると思われる既知の発明や同種の技術についての弁論を法廷が拒否したことなど、複数の点を挙げて、審理のやり直しを求めた。

 Microsoftが6日に申請した申し立ては、同社が固く誓っている米国控訴裁判所へ上訴するための必須条件となる。

 Microsoftはまた、Eolasが裁判所に対して、2001年9月から現在までの期間も含めて賠償金額を計算し直すよう求めている点についても、異議申し立ての準備を進めているという。この申し立てにより賠償額は数十万ドルも上昇する可能性があるが、両社共に正確な金額については明言を避けている。

 5億2100万ドルという賠償額は、Microsoftが1998年10月から2001年9月の期間に配付したブラウザの数に基づいて算出された。Eolasではさらに、Microsoftは賠償額の金利分として1億1100万ドルを別途支払う必要があると計算している。

 Eolasが6日に差し止め申請を行ったり、MicrosoftがIEをプレビューしたりと、裁判後の両社の応酬は加熱するばかりだ。そのような中でLueckは、IEの変更は不要であるとし、陪審員の評決額に金利分を足した額の支払いを条件に、Eolasには無償使用権ライセンスを供与する用意があることを重ねて強調した。

 「Eolasと大学側には、この問題を妥当な形で解決する意志がある。賠償額と予備判断の未払い金利分を考慮した場合、彼らがライセンス取得の意志を見せれば、こちら側としては無償使用権ライセンスの供与もやぶさかではない」(Lueck)

 ただしLueckは、この提案は無期限に有効なものではないとして警告している。

 Microsoftは、Lueckが提案内容を「妥当」だとしたことに異議を唱え、提案に同意するよりも回避戦略を追求するつもりであることを明らかにした。

 MicrosoftのWallentは、「加えて、我々が発表したIEの修正内容は小幅なものであり、コンシューマーやウェブコミュニティ全体に対して大きな影響は与えない。このことを念頭に置いた場合、一部のウェブページでマウスクリック1回分の手間を省くだけのために、6億3000万ドル以上も支払うという考えは、決して楽しめるものではない」と語った。

 なお、Wallentは、「6億3000万ドル以上」という金額に言及した根拠について、判決で示された5億2100万ドルと、Eolasが主張する金利1億1100万ドルを合わせたものだとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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