1999年のむこうみずな時代を思い出させる勢いで、来月、あるデジタル音楽事業のベンチャーが、iTunesやFriendster、eBayにヒントを得た配信サービスを開始しようと計画している。
以前McAfeeでCEOを務めていたSrivats Sampathが率いるMercoraは、米Apple ComputerのiTunesやMusicmatch、Napsterらがすでに進出した分野に参入する。だが、デジタル音楽の販売にひねりを加え、同じ趣味を持つ音楽好きなミニコミュニティを形成し、そこでユーザーが新しいバンドやアーティストのプロモーションを助けるようになることを目指している。
Sampathによると、同氏が設立したMercoraはさらに、ちょっとしたPtoP配信も計画しているという。同社のサービスで購入した楽曲は、Microsoftの著作権保護技術でしっかりと密封されるが、ユーザーは、帯域幅のコストとダウンロード時間を節約する目的で、お互いのコンピュータからダウンロードし合うことができるという。
アナリストらは、音楽“マーケットプレイス”(“Mercora”はラテン語の“マーケット”を語源とする)、あるいはコミュニティというSampathの事業モデルは、各社がデジタル音楽の販売ビジネスに殺到する中で、歓迎すべきものとなる可能性があると見ている。しかし、競争は熾烈化が予想されており、Mercoraが長期的に生き残れるかの見通しは予測できないという。
調査会社Gartnerの一部門であるGartnerG2のアナリスト、Michael McGuireは「デジタル音楽配信でいかにして収益を得るか、どの企業もまだその方法を見出していない。可能な限りたくさんの実験が必要だ」と述べる。
Mercoraのオンライン音楽事業への新しいアプローチは、他社同様AppleのiTunesに続くものだ。
Mercoraは、単純なダウンロードにコミュニティの要素を付け加えることにより、他社との差別化を図ろうとしている。シリコンバレーを興奮させた“ソーシャルネットワーク”構想を利用したもので、Mercoraのユーザーは、音楽の好みに基づいてグループを形成し、このグループをコンテンツや推奨の源として利用するようになる、というものだ。
Sampathは、iTuneにそっくりな同社のソフトウェアは、自分のグループにリストされている他のユーザーがどんな音楽を聞いているのかに基づいた楽曲の選択肢を提供できるという。
「音楽はとても個人的なものだ。測定は不可能だし、分類も不可能だ」とSampathは述べる。「音楽は、ソーシャルネットワーク上で売買されるのにぴったりなものだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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