電子情報技術産業協会(JEITA)の佐々木元会長(NEC代表取締役会長)は9月19日に記者会見し、03年上半期の電子産業の生産実績は対前年度比4.7%増であったことを発表した。
佐々木会長は、「昨年度末に行った今年の需要予測では、年間ベースで3.6%増と見ていたが、上半期はそれを上回るペースで推移した。不測の事態がない限り、3.6%増はクリアできそうだ」との見解を明らかにした。
ここでいう電子工業とは、民生用電子機器、産業用電子機器、電子部品・デバイスを包含、もっとも広義に捉えた電子産業となる。好調だったのは民生用電子機器で、産業用電子機器は横ばいに終わった。
「液晶テレビやプラズマディスプレイテレビなど薄型テレビ、DVDビデオレコーダー、カーナビゲーション、ビデオ一体型テレビ、ICレコーダーなどが好調で、民生用電子機器は15%増となった。これに引きずられる形で電子部品・デバイスも6.8%増となった。ただ、産業用電子機器は、携帯電話を中心とした無線通信機器が27.2%増と大きく伸びたものの、電子計算機および関連装置は16.3%減と不振で、トータルでは0.1%増」にとどまった。
下期については、「株価上昇など景気後退に歯止めはかかったと思うが、相変わらず続くデフレ傾向、雇用の低水準、続く地価下落など、不安要因もあり、必ずしも楽観はしていない」として、「当初目標であった3.6%増を少しでも上回りたい」と述べるにとどめた。
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