ニューヨーク発−大企業のシステムなどに侵入したと公然と主張し、悪名をとどろかせたAdrian Lamoは、米国時間11日午後、当地でいったん投獄された後、釈放となった。12日にはハッキングの容疑を巡る裁判が開かれる。
22歳のLamoは、米国時間11日午後1時にFBIに自首した後、連邦治安判事の前で行われる罪状認否手続きに備えて、連邦保安局に引き渡された。
11日の晩に行われた電話インタビューのなかで、この「さすらいのハッカー」は、日中の大半を手錠をかけられたまま過ごしたが、政府が自分を一晩投獄しなかったことに感謝していると述べた。また拘留中には、健康診断のために地元の病院に連れて行かれたとも語った。Lamoは、治療を受けられず、また虫歯も治せなかったせいで、長い間健康問題に悩まされていたという。
「虫歯とひどい寝不足のせいで、検査が必要だった」とLamo。「そのあと、私は釈放されて、弁護士の保護下に置かれた。この点に関して、FBIはとても協力的だった。公選弁護人の事務所から人が来て、私の身柄を引き取った」。
大胆不敵なハッキング行為とメディアのあしらい方の巧さ、そして根無し草のようなライフスタイルで、ハッカー界では伝説的人物のように見られているLamoには、2つの犯罪容疑がかけられている。1つはNew York Times紙のコンピュータへ違法侵入し、従業員記録を見たり、偽の管理者用アカウントを作成したりした。もう1つの容疑は、同新聞の持つLexis-Nexis用アカウントを濫用し、この有料データベースサービスで料金に換算すると約30万ドルにもなる検索を行ったというものだ。
Lamoのニューヨークへの移送は、米国時間9日にカリフォルニア州サクラメントでLamoが自首した後、米政府との間で5日間にわたって続いた一風変わった交渉の末に決まった。政府はあわだたしく夜行便の席を手配し、Lamoは10日の深夜に西海岸を飛び立った。容疑をかけられている侵入行為が、ニューヨークにある企業で行われたので、訴追手続きもこちらで行われるためだ。
Lamoに「さすらいのハッカー」というあだ名がついたのは、定職に就かず、グレイハウンドバスで全米を放浪し、友人の家のソファーで寝たり、場合によっては空き家や廃墟と化したビルで寝泊まりしていたためだ。彼はいずれは司法当局と対決することになると予期していたようで、New York Timesに侵入した1カ月後には、 FreeAdrian.com(「Adrianを釈放しよう」)というドメイン名を登録していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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