P2P業界団体、RIAAへの少女の和解金支払いを肩代わりへ

 PtoPネットワークを運営する各社のつくる団体が、ファイル交換訴訟の和解金として、音楽会社に対して2000ドルを支払うことに同意したニューヨーク在住の12才の少女の費用を、自分たちで肩代わりするという。

 Grokster、StreamCast Networks、Limewireといったファイル交換ソフトを提供する企業が参加するピア・ツー・ピア業界団体、P2P Unitedは米国時間10日、Brianna Laharaとその母親がRIAA(全米レコード協会)に対して支払う和解金に関して、これを補償するとの申し出を行ったことを明らかにした。Laharaの母親は同9日に、娘に代わって著作権侵害訴訟に関する和解金の支払いに同意していた。

 P2P Unitedの事務局長、Adam Eisgrauは、「著作権侵害を大目に見るわけではないが、財務的にも政治的にも膨大な資源を有する多国籍企業が、低所得者向けの公営住宅に住む12才の少女とその家族の腕を捻り挙げて、彼らからお金を出させるという、今回の悲しいエピソードが伝えているようなやり方を許すシステムに対して、皆の関心を集めるためにも、誰かがどこかで線引きをしなくてはならない」と語った。

 Laharaに対する世間の関心が高まってわずか数日だが、音楽業界がファイル交換利用者に対して起こした一連の訴訟は間違いだとしてRIAAを批判する人々にとって、この少女の一件は知らない者のない事例となっている。

 Laharaが同意した2000ドルでの和解は、多数成立すると予想される示談の最初の例として発表された。RIAA会長のCary Shermanは同8日、平均で3000ドル前後となる和解交渉が既に進んでいると述べている。

 RIAA訴訟のこれまでの対象者の中にも、ファイル交換コミュニティから資金援助を得たケースはいくつかあった。

 RIAAの提起したファイル交換訴訟の和解金として、今年初めに1万5000ドルの支払いに同意したプリンストン大学3年生のDaniel Pengは、PayPalなどのオンライン支払サービスを通じ、和解金にあてる資金として1万ドル近い金額を一般から集めたと、自身のWebサイトで明らかにしている。

 Eisgrauの話では、ほかのファイル交換利用者については、P2P Unitedが訴訟関連費用を立て替える計画はないという。設立間もない同団体では、PtoPネットワーク上での強制的な音楽ライセンス発行などの政策を求めて、ワシントンDCでロビー活動を展開する計画だ。なお、強制的ライセンス発行とは、著作権所有者に対して何らかの支払いを行う代わりに、PtoPネットワーク上でのファイル交換を音楽会社に認めさせるものである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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