米オラクル、グリッド対応のデータベース/ミドルウェアを発表

ニューズフロント2003年09月09日 16時01分

 米Oracleは米国時間9月8日、エンタープライズ環境でグリッド構築を可能とするデータベース、Oracle Database 10g(オラクル・データベース・テン・ジー)と、グリッド環境で稼動するアプリケーションを管理するミドルウェア、Oracle Application Server 10g(オラクル・アプリケーションサーバー・テン・ジー)を発表した。

 Oracleのグリッド用ソフトウェア基盤Oracle Grid Computing(オラクル・グリッド・コンピューティング)は、両製品に加え、同社が同日発表したOracle Enterprise Manager 10gの3製品で構成する。同社のグリッド環境では、Oracle E-Business Suiteや、ドイツのSAP AGや米PeopleSoftなどのアプリケーションの稼動が可能という。

 Oracle Database 10gは、自動管理機能とウェブベースの制御画面Database Controlを備える。これにより診断用ウィンドウをデータベース内で操作できるようになり、動作性能と信頼性の維持に必要な警告やアドバイスを受けられる。不適切なアプリケーションコードを認識する機能もあり、適切なコードを推奨するとともに、最適な動作性能を実現するために必要なデータベースの調整も自動的に実行してくれる。

 さらにデータベースの使用するストレージの構成/管理作業を支援するソフトウェア、Automatic Storage Management(ASM)機能も提供する。ASMは負荷の集中個所や処理上のボトルネックなどを検出し、負荷分散を自動的に行ってくれるので、管理者による作業の負担を軽減できる。

 一方Oracle Application Server 10gについて、Oracleは「アプリケーション統合機能とWebサービス機能を強化した」と説明する。「既存のアプリケーションやウェブサイトに変更を加えることなく、エンタープライズグリッドを実現可能な環境を提供する」(同社)

 同ミドルウェアを使用すると、サーバ利用率やエンドユーザーの応答時間といった情報を基にして、演算容量を調整できるようになる。さらに、「月末の給与計算処理や四半期末ごとの決算処理など、あらかじめスケジュールしておいたイベントに応じた調整も可能」(同社)という。

 またグリッド上で稼動するアプリケーションの信頼性を向上させるため、データベースとアプリケーションサーバのノード間の連携を簡素化し、ハードウェアやその他システムでの障害発生時にフェイルオーバーを行うFast Start Fault Recovery Architecture and Failure Notification(FaN)を強化した。

 なお同社は、Oracle Database 10gの提供開始時期については明らかにしていない。Oracle Application Server 10gは2003年末に利用可能とする。両製品とも、国内における対応は未定。

Oracleのプレスリリース(Oracle Database 10g、英文)
Oracleのプレスリリース(Oracle Application Server 10g、英文)
日本オラクル

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]