NECシステムテクノロジーは2匹目のドジョウとなれるのか

 コンピュータ、電子機器および通信機器などのソフトウエアの開発・販売を主力事業とするNEC系のソフト開発会社、NECシステムテクノロジー(以下NECシステム)が、9月12日に東証に新規上場する。一足先に新規上場したNECエレクトロニクスの株価は上場後わずか1カ月間で公開初値に比べ50%もの上昇をみせているが、果たしてNECシステムは2匹目のドジョウとなれるのか。

 9月12日に新規上場するNECシステムは、先端の基盤ソフトウエアの開発力に定評がある。もともと本社を大阪に構え、西日本での売上比率が60%以上と高いのも特徴。最近では、首都圏へも積極的に攻勢をかけており、昨年4月からは東西2本社制を導入している。NECグループのなかでは、NECソフトと同様に、ITソリューション事業のうちのソフトウエア会社として位置付けられている。

 事業内容は、情報サービス単一ながら、基本ソフト、ミドルウエア、ネットワーク・モバイル基盤など情報システムの土台となるソフトウエアの開発などを行う「IT基盤ソフトウエア事業」、様々な業種・業務に最適な情報システムの企画・構築・導入を行う「SIサービス事業」に区分している。

 現在はまだ、親会社のNECに対する売上高が80%以上を占めているが、同社が商談から販売まで全面的に関与していても、契約上NEC経由となっているケースも多い。2001年の10月に西日本地域のNECグループ会社5社が戦略的に合併して設立された会社だけに、今後の成長に期待がかけられている。

 7月24日に新規上場したNECエレクトロニクスは、公開価格4200円に対して上場後の初値は27%高い5350円となった。そして、その後わずか約1カ月後の8月25日には、上場初値に比べて50%も上昇して8070円の上場来高値をつける急上昇ぶりをみせている。さて、9月12日に上場するNECシステムのデビューはどうなるのか。

 外国証券のIT産業担当のアナリストは、同じNEC系といっても、半導体とソフト開発ということで会社の事業内容も全く異なること、さらに、連結の売上規模も今3月期予想ベースでNECエレクトロニクスが7050億円なのに対し、NECシステムが780億円と売上高も10分の1にすぎない点を指摘する。しかし、株価試算の基本的な根拠となる今期の予想1株利益を比べると、「NECエレクトロニクスが210円に対してNECシステムは204円とほぼ同水準となっている。NECシステムの公開価格は、おそらく仮条件上限の4000円で決定することになるが、そうなれば人気次第ではNECエレクトロニクスとほぼ同様の株価推移になる可能性も否定できない」という。

 ただ気をつけたいのは、「通常2匹目のドジョウはどうしても1匹目より小ぶりになるということと、株式相場全体の地合いが軟調な展開となってしまった場合は、いくら評価の高い銘柄でも上値が抑えられてしまうということだ」としている。

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