三菱電機は8月27日、指組織内部の指紋情報を検出する光学指紋センサーを開発したと発表した。「世界初の指内部特性検出型光学指紋センサー」(同社)とする。セキュリティ管理用の指紋照合装置への採用を想定している。
同センサーは人の指組織を構成する、表皮、真皮、皮下組織のうち、指紋を形作る真皮の凹凸を検出する。三菱電機は大阪大学医学部教授の春名正光氏の協力を得て、表皮から真皮に至る指組織内部に指紋の凹凸に対応した光の透過率変化が存在することを発見したという。
この透過率の変化を検出するため、センサーでは、指の爪側から光を照射し、指の内部を透過した光パターンを、指紋側に置いたカメラで撮像する。映像は明るい部分ほど光の散乱が強くなる。真皮の盛り上がった部分より、凹んだ部分の方が散乱が小さく、暗いため、指紋の形が明暗で浮かび上がる。
非接触方式で検出できるため、プリズムなどの透明体に触れて、皮膚表面の接触の有無から凹凸画像を検出する接触型センサーと異なり、指表面の湿り気状態などに影響されない。
三菱電機はこの技術に関して、現在国内に2件の特許を出願中。今後は同方式の光学指紋センサーを搭載した指紋照合装置の実現を目指すという。
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