マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは8月26日、今後の事業の方向性について説明会を開催し、コンサルティングサービスに注力する方針を明らかにした。
マーキュリー・インタラクティブは負荷テストツールの「LoadRunner」や機能テストツール「WinRunner」などを主力製品としており、昨年11月には、BTO(Business Technology Optimization:ビジネステクノロジーの最適化)というコンセプトを掲げ、既存の製品群を「Optane」というブランドにまとめている。
BTOとは、製造業で広く行われている品質管理の手法をITの世界に持ち込むというものだ。アプリケーションの開発から運用、メンテナンスに至るすべての段階で性能や品質のテスト・監視を行うことで、ITの資産価値を最大限に引き出すことを目的としている。
同社では今まで製品の販売が中心で、サポートはパートナー企業に任せていた。しかしBTOソリューションの普及を促進するため、今後はコンサルティングサービスの提供に力を入れていく方針だ。具体的には、システム開発のテスト部分だけを請け負い、テスト計画や実行、評価部分を行う「コンカレントテストサービス」、SIerが納品したシステムについて、エンドユーザーの代わりに性能試験を行う「納品システムチェックサービス」、納品後性能の向上しないシステムに対してチューニングを行う「ファイアーマンサービス」、稼働中のシステムに対し、性能評価や今後のキャパシティプランニングを行う「システムクリニックサービス」といったサービスを検討しているという。
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン代表取締役社長 山中義晴氏 | |
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マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン代表取締役社長の山中義晴氏は、「システムの性能を第三者的立場から監査を行うサービスが今後はやるだろう」と話し、無料相談窓口を設けるなど新たなサービスの展開を考えているとした。
また山中氏は現在SIerが抱えている問題について、「予算が少ないために、テストを端折ってしまっている。そのため、最終テストで火を噴いて(トラブルが発生して)しまう」と指摘。「日本は今悪循環に陥っている。安いSIerは、“安かろう悪かろう”でテストを省略してしまう。しかしシステムが動かなくなってメンテナンスをすれば、結局はSIerも赤字になってしまう。これではお互いに不幸だ。適正な見積もりをして、必要なところには投資をするという姿勢がエンドユーザーにも必要だ」(山中氏)として、エンドユーザーの意識改革も訴えた。
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