総務大臣の片山虎ノ助氏は7月31日、都内で開かれた電子政府・電子自治体に関するイベント「第3回電子政府戦略会議」において講演し、電子政府実現に向けた取り組みを紹介した。
片山氏はまず、「2003年は電子政府元年だ」と語る。2002年12月に行政手続オンライン化法が成立し、2003年2月から施行されたためだ。「電子政府や電子自治体に法的な根拠が与えられた」と片山氏はその重要性を指摘する。
行政手続オンライン化法は行政機関に申請や届出を行う際の行政手続きを、書面だけでなくオンラインでもできるようにするもの。これにより、利便性の向上と行政運営の簡素化・効率化を図るのが目的だ。
現時点で手続きのオンライン化はすでにかなり実現していると片山氏は紹介する。2003年6月時点で国が取り扱う行政手続きの44%にあたる約6000件、地方公共団体についても57%にあたる約3000件のオンライン化が進められている。さらに2003年度末には国と地方団体の行政手続きを、それぞれ97%、96%とほぼ全てオンライン化していく予定だとした。
総務大臣の片山虎ノ助氏 | |
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さらに片山氏は書類申請の窓口を一本化する方針も明らかにした。これまで複数の省庁にまたがる手続きを行う際には、それぞれの省庁用に書類を作成しなければならなかった。今後は電子政府の総合窓口を作り、オンラインで申請する場合には書類も1通で済むようになるという。さらにオンライン手続きに関する相談を電話やEメールで受け付ける窓口も設けるとした。
片山氏は政府だけでなく、地方自治体の電子化についても語る。「一般の人から見れば政府も地方自治体も役所であることに変わりはない。政府だけ電子化が進んでも意味がない」(片山氏)として、8月には政府と地方自治体の協議会を作ると話す。
地方自治体の情報システムについては、IT関連の地場産業を活性化させるため、民間企業にアウトソーシングしていくという。「情報産業はほとんど現在東京に集中している。これをもっと地方に広げていきたい」(片山氏)。具体的には各自治体のシステムを標準・共通化することでコストを抑えながら、各都道府県に1〜2カ所設置されるデータセンターの運営やネットワークの保守運用などを地元のIT企業に担当させるという。また、職員の教育や訓練が必要なことから、地元で相当の新需要が創出できるとして、関係者と調整を進めていきたいとした。
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