米控訴裁、盗用されたドメイン名の所有者に登録業者への賠償請求裁判を認める

 「Sex.com」というドメイン名の元所有者が、このドメイン名を詐取した容疑者と、これを同容疑者に移転した登録業者Network Solutionsを訴えていた裁判で、米控訴裁はこの元所有者にNetwork Solutionsに対する損害賠償を認める判決を下した。これが、今後多くの裁判の行方を左右する重要な判決となる可能性がある。

 第9巡回控訴裁判所は、盗用された「Sex.com」というドメイン名の所有権が、1994年に同ドメインを最初に登録したGary Kremenにあるとし、適切な許可なく同ドメインを他人に移転したNetwork Solutionsは、賠償責任を問われる可能性がある、との判決を下した。

 今回の判決は、ドメイン名を通常の有形資産と同等に扱っており、今後インターネット関連の裁判に、多大な影響を与える可能性がある。同判決が出される以前は、ドメイン名の法的な位置付けが不明確だったため、Network Solutionsはドメイン名に自動車や不動産と同様の所有権保護を認めることに、反対の姿勢を貫いてきた。

 しかし、まるでハリウッドの映画脚本家が、偽造した手紙、詐欺師、賞金稼ぎ、犯人のメキシコへの逃亡などを題材に、創作したのかと思えるようなこの裁判で、今回の判決は大きな転換となった。

 Kremenは1995年に、Sex.comのドメイン名の所有権を喪失した。Stephen Cohenという男が、同ドメイン名の所有権を彼に委譲する旨を記した、Kremenの会社を送り主とする書簡を偽造したためだった。Cohenは、破産専門の弁護士と身分を偽った罪で服役し、当時はまだ出所したばかりだった。その書簡には、Kremenが所有するOnline Classifieds社がインターネットに接続できないため、Cohenが同ドメイン名を引き継ぎ、Network Solutionsと必要な手続きを行うことを認める、と記されていた。

 Kremen の弁護士によると、Network Solutionsは書簡の真偽を確認せずに同ドメイン名の所有権をCohenに移転し、Cohenは同サイトを利用して、その後数年間に少なくとも4000万ドルの利益を上げたという。

 結局Kremenは、Network SolutionsとCohenの両者を提訴したが、下級裁判所は「ドメイン名は法律的に有体資産と同等の扱いは受けない」との理由で、Network Solutionsの責任を認めなかった。その後Kremenは、Cohenに6500万ドルの賠償を命じる勝訴判決を勝ち取ったが、Cohenは間もなく財産を海外に移転し、国外逃亡を図った。Kremenは、再開したSex.comサイト上で5万ドルの懸賞金を懸け、Cohenについての情報提供を呼びかけているが、未だ逮捕には至っていない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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