日立製作所と東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターは7月23日、、薬の投与や遺伝子操作による遺伝子の活動量の変化を正確に解析する技術を開発したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、バイオテクノロジー開発技術研究組合のメンバーとして共同開発されたもの。
この技術を用いれば、薬を投与した細胞と投与していない細胞などの、異なる細胞に由来する複数の遺伝子試料をひとまとめに混合して解析でき、遺伝子の活動量の微妙な変化を高精度に検出可能になる。工程数の大幅な削減や、コストの削減にも貢献する。
ゲノム情報を用いた新薬開発や病気の解明では、投薬された細胞と何も加えていない細胞を比較し、活動している遺伝子の量で影響の有無を判断する。従来、ゲノム情報を利用した新薬の開発や病気のしくみを解明する過程では、薬を与えた細胞と何も加えていない細胞とを比較し、活動している遺伝子の量を調べ、薬が遺伝子活動に影響を与えているかどうかを判断する。これまでは、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)という方法で遺伝子を計測可能な分量に増幅した後に解析をしていたが、薬を与えた細胞と何も加えていない細胞とが、別々に増幅されることから、環境の微妙な違いの影響で、増幅の度合い(増幅効率)が異なってくる可能性を排除しきれなかったという。
今回開発されたのは、異なる細胞に由来する複数の遺伝子試料の混合解析法、増幅効率の等しい人工DNA断片、遺伝子活動量解析システムなど。解析技術は、複数の細胞に由来する遺伝子試料をひとまとめに混合して増幅するために、異なる試料を同じ増幅効率で正確に比較することが可能になったという。
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