松下電器産業は7月9日、ICカードや携帯電話向けに、0.18μmのFeRAM(強誘電体RAM)を混載したシステムLSIを開発したと発表した。これまでのFeRAMは0.35μm程度が限界で、0.18μmのものは「世界初」(同社)。今年の8月からサンプル出荷を開始する。松下電器では、今後、FeRAM搭載LSI製品群を、ユビキタス社会の中核技術と位置づけ市場投入していくという。
FeRAMは、電源遮断後も内容が保存される高速書き込み・低消費電力のモバイル向けメモリとして期待が高まっている。今回開発した0.18μmFeRAMは、フラッシュメモリやEEPROMの約1/5に当たる高速書き込みと、高書き換え回数を実現しており、モバイルに対応した高い信頼性を確保しているという。また、FeRAMのメモリセル面積を小型化するスタック技術、微細化セル技術などの開発により、メモリセル面積を従来の1/10に削減した。さらに環境面を考慮し、鉛フリー強誘電体薄膜材料技術による1.1Vの超低電圧動作を実現したという。
その結果、電子マネーや個人情報を含むICカードなどで安全性を確保すると同時に、携帯電話やテレビなどの多様な通信方式に対応する、リコンフィギュラブルなシステムLSIが可能になるという。
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