富士通の黒川博昭新社長は7月8日、本社で社長就任後初の会見を行った。
経営方針については、基本的に秋草直之前社長(現会長)の路線を踏襲するものの、「信頼と創造」という独自の行動原則を打ち出した。そのうえで、収益力向上や財務体質の健全化、事業構造の継続的な見直しなどを経営上の課題と位置づけ、短期間に会社全体を再構築する方針だ。
前年度(2003年3月期)までに、連結で約1兆8000億円まで膨らんだ有利子負債は、キャッシュフローを高め、たな卸資産の回転を上げることなどにより、このうち約3000億円を今年度中に返済する計画。
事業構造の見直しでは、01−02年にかけて実施した大規模リストラを、「変化に応じた事業を意識した経営をする」(黒川社長)なかで、「今後も継続的に行っていく」(同)としている。また、製品ライフサイクルに合った商品企画による「ものづくりの強化」やソフトサービスなどでグローバルな体制を再構築し、事業収益力の向上を図りたい考え。
黒川社長は「富士通らしさは、メインフレーム時代に築かれた。今後、基幹系システムでLinuxやIAサーバーを組み合わせるなかで、どう富士通らしい製品を開発できるかがカギだ」と述べた。
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