SamsungやLG Electronicsなど韓国の大手IT企業は、消費者に向けてカメラ機能付きの携帯電話を猛烈に売り込んでいる。しかし、その使用が自社の事業範囲に及ぶ場合には、注意深くなっているようだ。
産業スパイ行為や、知的財産窃盗から自社を保護するため、SamsungとLG Electronicsの両社は、自社の研究所や製造工場内における従業員のカメラ機能付き携帯電話の使用を禁止した。
韓国の日刊紙「朝鮮日報」によると、Samsungの場合、禁止範囲は、韓国内にあるデジタルメディアや通信機器の製造ライン、半導体工場を含む多数の事業に及ぶという。
この制裁の下では、従業員は自分のカメラ付き携帯電話を会社に登録し、勤務時間中はレンズをカバーで覆わなければならない。同様に、訪問者もこの規則に従うことが求められており、Samsungの社屋から出る前にレンズを覆うシールをみだりに剥がそうとした場合は、規則違反と見なされるという。
「この措置を、個人の権利を侵害するものだと批判する人もいるが、核となる技術が外部に持ち出された場合、その被害は致命的なものとなる」とSamsungのマネージングディレクター、Kim Gwang-taeはコメントした。
LG Electronicでも、同社の韓国内の10箇所の研究施設において、似たような措置が取られている。朝鮮日報によると、同社は、最先端の技術開発が行われているライフエンジニアリング研究所内において、カメラ付き携帯電話を全面的に禁止することを検討しているという。
さらに、HyundaiやKia Motorsなどの自動車メーカーでも、従業員に同様の制限を課していると、朝鮮日報は報じている。
また、韓国政府は、携帯電話機メーカーに対して、カメラ付き携帯電話への「ノイズ発信装置」組み込みを義務付ける法律の導入を検討しているという。
韓国の政権与党である新千年民主党が提案している法律では、製造業者は、写真を撮るときに大きな音が出るように自社製品を設計しなければならないことになる。そして、この装置が撮影時に警告音を発して、人権侵害や産業スパイとなるような写真の撮影を防止するという仕組みになる。
しかし、この動きに対し、韓国の携帯電話メーカーは難色を示している。同記事のなかで、Samsungの広報担当者は、新しい法規制が国内および国外での販売の足を引っ張る可能性があると話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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