シャープと日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は7日、カメラつきGMS/GPRS方式携帯電話向けデバイスのシステムソリューションを共同で開発、携帯端末メーカーに向けて提供していくと発表した。「このソリューションを使うことで、カメラや動画メール機能つきGSM/GPRS携帯電話の開発期間が大幅に短縮できる」(シャープ取締役、IC事業本部長の佐野良樹氏)
今回の協業で両社は、シャープのもつカメラや液晶、およびフラッシュメモリなどの技術と、TIのもつGSM/GPRSベースバンドチップやアプリケーションプロセッサなどの技術を組み合わせ、カメラつき端末の開発に必要なデバイスとソフトウェアを搭載したリファレンスデザインを共同で開発する。「お互いの得意分野を生かし、相互補完でカメラつき携帯電話向けのシステムソリューションを世界の携帯電話端末メーカーに提供する」と佐野氏。
最初のリファレンスデザインには、シャープの1メガピクセルCCDカメラモジュール、フラッシュメモリ、液晶モジュールと、TIのGSM/GPRSチップセットおよびOMAP-DM270と呼ばれるアプリケーションプロセッサを搭載する予定。
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リファレンスデザインを手にするシャープ取締役 IC事業本部長 佐野良樹氏(左)と、日本TI 執行役員 DCESカンパニープレジデント 岡野明一氏 | |
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佐野氏は、現在日本の携帯電話ではカメラが標準搭載となりつつあること、また世界規模でもカメラつき携帯電話の需要が伸びていることを指摘。「昨年度の世界におけるカメラつき携帯電話の普及率は6%だが、今年中には20%強まで伸びるだろう」としている。同じく日本TIの執行役員でDCES(デジタル・コンシューマー・エレクトロニクス・ソリューションズ)カンパニープレジデントの岡野明一氏も、「いま世界で一番ひっぱりだこなのがデジタルカメラの技術者だ。独自で携帯電話にデジカメを搭載しようとすると、かなりの開発期間が必要となり市場のニーズについていけない。われわれの提供するソリューションは、開発期間を約半分にまで短縮できるもの」としている。
リファレンスデザインを提供する端末メーカーは、「中国・アジア市場が主となる」とのことだが、「独自の開発技術を自社で抱えているであろうNokiaやMotorolaといった大手も、デジタルカメラ技術が十分かどうかは疑問だ。そのような大手メーカーにもニーズによって提供していきたい」(日本TI、岡野氏)としている。また岡野氏は、「携帯電話もPCのように、中をあけるとどれもWin-tel(WindowsとIntelの組み合わせ)では面白くない。われわれのリファレンスデザインを使い、そこにメーカー独自の技術を組み合わせた形で競争力をつけてほしい」と語る。
両社は初年度の具体的な販売目標を明らかにしていないが、「初年度で約5〜10社に採用してもらいたい」としている。日本TI広報部によると、すでに数社より引き合いがあるとのことだ。
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