米Apple Computerが1年前に開始した有料オンラインサービス「.Mac」が、会員の更新時期を迎えている。もともとは無料だったこのサービスを引き続き利用してもらおうと、同社はあれやこれやのキャンペーンに勤しんでいる。
AppleがiToolsで無償提供していた電子メール/オンラインストレージのサービスを、有料プログラムの.Macサービスに変更したのは昨年の7月。同社は無料から99ドルの年会費に切り替わる際のショックを抑えようと、iToolsユーザーに対して、「.Macに加入した場合、初年度は年会費が半額」という誘い水を向けた。
また、この半額キャンペーンの延長や、別の特典を付けるなどあらゆる手を打った上で、iToolsユーザーに対し、「2002年10月までに.Macに加入しなければアカウントを失う」との最後通牒を突きつけた。
今後、すべての.Macユーザーはアカウントの維持に、99ドル全額を支払わなければならなくなる。iToolsから.Macに移行したユーザーは10月まで更新猶予があるものの、昨年7月に初めて.Macに加入したユーザーは、今、更新時期を迎えつつある。
Appleは更新率の見込みについては具体的な目標を明らかにしていない。しかし同社の幹部は、「ここ最近、顧客からのフィードバックに加え販売も増えており、元気づけられている」と語る。また、.Macサービスそのものについても、従来の電子メール/オンラインストレージに加え、無料ゲームや、複数のMacマシンでのデータ同期化など、機能拡充を図っている。
Appleのアプリケーショングループで、製品マーケティングディレクターを務めるJoe Hayashiは、「今回の更新時期を強気で乗り切っていく」と語る。同氏は.Macサービスの現在の加入者数について、具体的な数字は明らかにしなかったものの、「昨年10月過ぎに報告した18万人以上にはなっている」と語った。
なお更新にあたって、一部の.Macサービスユーザーはすでに自動更新の手続きをとっている。しかしそれ以外のユーザーには「手紙を送って更新を促す」(Apple)という。
また、更新をためらうユーザーに対しては、数々のインセンティブを用意する。例えば、更新手続きを行ったユーザーは、
のいずれかを手に入れることができる。
Appleが同サービスの有料化に踏み切った際、アナリストからは「ユーザーが無料サービスで求めた以上の信頼性を、有料サービスで満たすことができるのか」という疑問が投げかけられた。これに対し、Hayashiは「いくつか問題点はあるものの、.Macサービスは全体的にうまくいっている」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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