米国の音楽雑誌Billboardが、インターネットでの音楽ダウンロード販売に関するデータを、初めてヒットチャートの集計に加えることになった。
小売部門での音楽売上を追跡し、Billboard誌ヒットチャートの情報提供元にもなっているNielsen SoundScan は、米国時間2日に、複数のデジタル音楽配信サイトでダウンロード販売された音楽に関するデータを提供し始める。調査の対象には、Apple ComputerのiTunes Music Store、Roxioの運営するPressplay、MusicNet、Liquid Audio、そしてListen.comが含まれている。同社はまた、現在準備中であるNapsterサービスでの売上も追跡記録することを計画している。
音楽のダウンロード販売に関するデータ集計を始めるというNielsen SoundScanの発表で、ネットを利用した音楽販売の取り組みに対する信用が高まり、消費者やレコード業界のオンラインサービス全般に対する見方が好転するかもしれない。エンターテイメント産業は、これまで何年もの間、ピアツーピアのコミュニティで違法なファイル交換が行われ、それがオフラインでのアルバム販売低迷につながっているのではないかと恐れていたが、今回ついにデジタル音楽販売のチャンスを手に入れることになるかもしれない。
「デジタル音楽をネットからダウンロードで購入することは、急速に成長を続ける音楽ファンのセグメントに新たに登場してきた持続可能な技術であることがわかった」と、Nielsen Musicの社長であるRob Siscoは声明のなかで語った。Nielsen SoundScanは、Nielsen Musicの一部門で、またBillboardはオランダを本拠地とするVNU Mediaが所有している。
Nielsen SoundScanのレポートのなかでは、デジタル音楽のダウンロード販売は、「nontraditional」というカテゴリーに分類される。このカテゴリーには、インターネット、通信販売、コンサート会場での販売が含まれる。2002年には、インターネット販売が、このカテゴリーでの売上の80パーセント近くを占めた。また、2002年にはCD売上が全体として下落したにもかかわらず、このカテゴリーの売上は過去5年間で飛躍的に増加している。
Nielsen SoundScanは、オンラインサービスを通じてダウンロードされるデジタル音楽の「恒久的な売上」のみを集計し、サブスクリプションの契約者に向けたストリーミング音楽配信についてはカバーしない。アルバムおよびシングルのダウンロード販売のデータは、アルバムおよびシングルの売上チャートにそれぞれ含まれることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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