マレーシア政府、ソフトウェアやDVDを価格統制へ?

 マレーシア政府は、ソフトウェア、CD、DVD、ビデオCD(VCD)などの価格決定を、食品や生活必需品と同じく、政府の管轄下に置くことを計画していると、マレーシアの通信社が明らかにした。

 マレーシア政府は過去に、海賊版へのニーズを高めているのは高い価格にあるとして、CDなどの価格を部分的に非難したことがあり、そこから「マレーシアは違法コピー天国」という不名誉な地位が与えられている。

 マレーシアの国営ベルナマ通信によると、国内流通省のTan Sri Muhyiddin Yassin大臣は、政府がメーカーに価格を下げるよう説得を試みたが、メーカー側がこれに応じなかったために、今回の価格統制という手段に訴えることを決定したと述べた。

 内閣の政務大臣Wong Kam Hoongは、「政府は著作権侵害という事態が発生していることを真剣に受けとめ、CD、VCD、DVDを管理アイテムとして分類する可能性を検討する」と述べた。

 日刊紙「The Star」によると、政府は7月3日に著作権所有者との会合を開き、法令化する前にこの問題について話し合うことになっている。

 同レポートによると、課題の1つとして、適正価格を設定するための、製品製造にかかったコストの算定方法がある。

 Muhyiddin大臣によると、この動きは著作権侵害行為の息の根を止めることにつながるため、最終的には業界の成長に貢献すると説明したが、業界の反応はこれまでのところ肯定的とはいえないという。Recording Industry Association of Malaysia(RIM)などの知的所有権保護団体は、著作権侵害と戦う手段としての価格引き下げに対し、強く反対してきた。

 RIMのゼネラル・マネージャであるLam Tuck Sengは、CNETAsiaが以前行ったインタビューのなかで、安い製品を提供して消費者を助けるという目的が、価格統制という手段を正当化するわけではないと語っている。

 同氏は、「盗まれているのは、安いものだ」と述べ、消費者がCDやDVDの低価格化というメリットを受けるに値するという大臣の意見に反対を示した。

 首都クアラルンプールでは、海賊版ソフトウェアを最小2.6米ドル程度で購入できる。

 Lamは、音楽や映画は贅沢品であるため、政府ではなく、市場により価格が設定されるべきだと述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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