トレンドマイクロは30日、ゲートウェイでのセキュリティを強化した新製品、InterScan Gateway Suiteを7月30日より発売すると発表した。ネットワークのゲートウェイにおけるウイルス対策や内部からの情報漏えいが注目されるなか、InterScan Gateway Suiteはウイルス対策に特化した同社製品であるInterScan VirusWallの技術を継続し、コンテンツフィルタ機能や新種ウイルスの予防、また情報漏えい防止などのセキュリティ対策を幅広くサポートする製品となる。
「現在ウイルスの感染経路は90%がメール経由である。そこからネットワークを通じて二次感染が発生し、ウイルスのアウトブレークが起こる。だがクライアントウイルス対策のみではすべてのPCのパターンファイルを常に最新版にアップデートするのは難しい。そこで注目をあびているのがゲートウェイでのウイルス対策だ」と、トレンドマイクロマーケティング本部プロダクトマネージャーの岡野健人氏は、InterScan Gateway Suite発売にあたっての背景を述べている。
また同氏は、「今年の5月末には個人情報保護法も制定され、情報漏えいに対する関心が高まっている。ウイルスの中には社内PCのごみ箱のファイルをメールで送信したり、ユーザー名とパスワードをキーボードから記録して外部に送信するものもあり、内部からの情報漏えいが懸念されている」と、メールコンテンツフィルタリングなどで内部からの情報漏えい対策に特化したアプローチが必要だと強調する。
同製品は、トレンドマイクロが昨年6月に打ち出した戦略、Trend Micro Enterprise Protection Strategyに対応した製品だ。これは法人向けウイルス対策の新構想で、ウイルスの事前警告、ブロック、駆除や、感染後の除去、復旧作業、脆弱性の評価まですべてを支援するというもの。InterScan Gateway Suiteに同梱される製品群は、メールゲートウェイ対策に特化したInterScan Messaging Security Suite、マネージメントソフトウェアのTrend Micro Control Manager、そして今回同じく新製品として発表されたウェブセキュリティ対策製品のInterScan Web Security Suiteの3製品となる。
ウェブ経由のセキュリティ対策も万全に
トレンドマイクロマーケティング本部プロダクトマネージャー 岡野健人氏 | |
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いっぽうInterScan Gateway Suiteに同梱される新製品、InterScan Web Security Suiteについて岡野氏は、ウェブ経由でのウイルス被害が拡大しているにも関わらず対策が進んでいない点を指摘する。「われわれの調査によると、メールでのウイルスチェックは91%の企業が対策済みとなったが、ウェブ経由でのウイルスチェック対策は41%の企業しか対応していなかった。その理由のトップとしてあげられたのが、ウェブ表示のスピードが遅くなるから」と、ウェブ経由のセキュリティ対策には高いパフォーマンスが重要であることを述べた。
岡野氏はInterScan Web Security Suiteのデモを行い、同製品を適用した場合でもウェブの表示スピードにほとんど待ち時間を感じさせない点をアピール。同社の従来製品と比べても「パフォーマンスは140%向上した」と述べている。
InterScan Web Security Suiteは、まず7月30日にSolaris版が発売され、10月にWindows版が、2004年上旬にLinux版がリリースされる予定。なお同製品はオープンプラットフォーム対応で、ライセンス範囲内であれば複数のOSにインストールして使用することが可能だ。
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