米Microsoftは今週、同社コンサルティング事業、Microsoft Consulting Services(MCS)の組織再編の一環として、161人の人員削減を行なった。テクノロジーコンサルティング市場全体が軟化している中でのレイオフとなる。
同社は米国時間6月23日、米国各地の該当社員に対し、解雇を通知していた。レイオフされた従業員は6週間かけて、同社他事業に次の職を探すことが認められている。Microsoftによれば、同社内に現在、約2000職の空きがあるという。
Microsoftの広報担当者のStacy Drakeは、人員削減の理由を「Microsoftのテクノロジーだけに限らず、より広いビジネスプロセスを視野に入れたコンサルティング事業を展開するため」と説明した。
しかし、米Directions on MicrosoftのアナリストのPaul DeGrootは、本当の解雇理由はむしろ、Microsoftの顧客企業の間で優先事項が変化したことに関連性があると指摘する。「かつては新しく大胆なプロジェクトに喜んで取り組み、Microsoftのコンサルタントを採用していた企業が、今は既存の製品を最大限に活用することに焦点を当てている」とDeGrootは述べた。
またDeGrootは、「MCSに幻想を抱くべきではない」とクギをさす。「広範なビジネスプロセスのコンサルティングを提供する米IBMのGlobal Solutionsや米EDSにはたちうちできないだろう。Microsoftの本業はソフトウェア販売であり、MCSの役割はMicrosoftソフトウェア製品の価値をユーザに気づかせ、より効率的に導入することにある」(同氏)
MCSの従業員は1500人で、MCSが所属するサービス事業全体は2500人規模だ。DeGrootによると、Microsoftは戦略転換の一環として、来年にかけてコンサルティング事業に新規採用者を入れる計画である。
Microsoftはハイテク業界の低迷時に、大規模な人員削減を回避していた。これまでにも少人数の人員削減はあったものの、多人数のレイオフは28年間の社史上、初めてのことだ。一方、同社顧客のパソコンメーカー各社は、ハイテク業界の不景気の中、大幅な人員整理を実施してきた。たとえば、米Hewlett-Packardは、すでに通知ずみの解雇に加え、さらに5800人を削減することを先頃発表した。また、米Dell Computer、IBM、米Gatewayなども、この2年で数千人の人員削減を断行している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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