IPアドレス枯渇の噂は「誤解」と、APNIC理事長

 APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)は6月24日、アジア太平洋でIPアドレスが不足しているという噂は「誤解だ」として否定した。

 APNICは、Internet Assigned Numbers Authority(IANA)から割り振られたIPアドレスを、ISPなどに再分配する機関の1つ。世界主要4地域のうち、アジア太平洋地域を担当する。

 一部の業界専門家のあいだで、IPアドレスが2年足らずで枯渇するとの予測が広まっている。また以前から、米国のアドレス割り当てが大半を占め、他の地域の割り当てが少ないことも指摘されている。

 APNICのPaul Wilson理事長によると、世界で毎年5ブロックの/8アドレスが消費されている。各ブロックには1600万のホストアドレスが割り当てられ、現在のIPv4システムにはまだ100ブロック残っている。このため、現在のアドレスを使い切るまでにあと10年か20年かかる計算だという。

 Wilson理事長はまた、IPアドレス不足の迷信が生まれた理由を次のように述べている。「昔は確かにアドレス取得が難しかった。人々は世界の各地域に割り当てられるアドレスの数を見て、アジア太平洋地域は割り当てが少ないと考えているのだろう」(Wilson)。しかし、現在は国に関係なく同じルールでアドレスを割り当てているという。Wilsonは、「アドレスは、要求に応じて割り当てており、(特定の国のために)あらかじめ確保しているのではない」と説明した。

 さらに、Wilson理事長は、IPv6の導入にはいくつもの長所があるが、導入を急ぐべきではないとの考えを明らかにした。「IPアドレスの枯渇を危惧した企業が急いでIPv6ネットワークハードウェアに巨額を投資したはいいが、数年間経ってもアドレスが不足しなかったら、どう思うだろうか」(Wilson)

 ここ数年間、韓国、中国、日本政府はIPv6を強く支持している。日本政府は、2005年までにIT部門をIPv6に移行する方針だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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