米Hewlett-Packard(HP)、米Seagate、米Adaptecの3社が、CeBit AmericaでSerial Attached SCSI(SAS)対応ハードディスクの試作品を展示した。SASについて3社は、「ローエンド向けであるが標準規格になりつつあるSerial ATA(SATA)よりも、1歩先を行く」と位置づける。
SATAは、パソコン内蔵ハードディスク向け接続技術であるATAをベースとする規格。それに対しSASは、あらゆる性能が重要視されるサーバで使われていたSCISの後継技術である。
SASとSATAの両方を支持しているAdaptecのストラテジックマーケティング担当ディレクター、Linus Wongは、「SATAは確実に普及する。しかし、ATAの性能が上がり続けても、結局はSCSIを必要とする領域が残る」と述べている。
SATAとSASはいずれもシリアル方式のインターフェースで、パラレル方式よりも細いケーブルを用いる。そのためパソコン内部の空気の流れを妨げず、冷却に関する問題を起こしにくい。ちなみにSASとSATAは同じケーブルを使用する。ただし、SATAで利用可能なケーブルがわずか1mであるのに対し、SASは8mまで延長できる。通信速度はSASが3Gbpsと、SATAの1.5Gbpsより速い。SATAもバージョン2.0で現在のSAS並みに高速化される見込みだが、SASは6Gbps化を計画中である。
さらにWongは、「1台の筐体内で多くのディスクが同時に書き込み動作を行う場合、振動に対する耐久性も重要な課題だ」と指摘する。「ATA対応ハードディスクは振動を受けると性能が落ちてしまう。一方SCSIは、より強い振動に耐えられる。SATAはアクセス頻度の低いデータに適しており、SASはデータベースなど負荷の高いサーバに向いている」(Wong)
Adaptecは2003年の終わりごろ、SASコントローラの試作品を提供する予定という。HPなどのサーバメーカー向け製品版を2004年初頭にリリースし、一般向け出荷は2004年中盤を見込んでいる。
なおSASの仕様はまだ確定していないが、「ANSIの下部組織、International Committee for Information Technology Standards(INCITS)のT10グループが2003年8月か9月に最終決定するだろう」(Wong)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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