グラフィックソフト開発のセルシスとマクロメディアは、セルシスが開発したアニメーションのラスター/ベクター形式の自動変換ソリューションの技術について全面的に協力体制を敷き、テレビアニメーション素材をMacromedia Flashベクター形式に変換し、ネットワークコンテンツとして幅広いチャネルで提供するためのワークフローの確立に向けて連携していくと発表した。
発表によれば、日本のアニメーションの90%以上は、セルシスが開発するデジタルアニメーション制作ソフト「RETAS!PRO」によるラスター形式のデータで制作されており、ウェブアニメーションのデファクトスタンダードとなっているMacromedia Flashのベクター形式とは互換性がなかったという。そのため、テレビ放映されているアニメーションをウェブコンテンツとして活用する場合には、データを変換するために再度作り直す必要があった。
今回セルシスが開発に成功した、ラスター形式データをベクター形式に変換する技術を活用することで、膨大な量の放送用アニメーション素材を簡単にインターネットや携帯電話用のコンテンツに転用することが可能になるという。
マクロメディア代表取締役の井上基氏は、今回の連携について、「アニメーション業界でデファクトスタンダードの地位にあるセルシスの技術プラットフォームから、Macromedia Flashへの出力ワークフローが確立することによって、国際的に高い評価を得ている日本のアニメーション業界の力が、インターネットとモバイルを含めた幅広いFlashコンテンツの世界を、さらに豊かにすることを期待している」と述べている。
またセルシス社長の川上陽介氏も「インターネットや携帯電話など、コンテンツの出口が広がることにより、資産を有効活用できるようになる。これによってアニメーション業界が一層飛躍することを期待している」と語った。
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