米Aristotle Internet Accessは、メールサーバに溢れるスパムメールに悩まされてきた。同社は、スパム対策として3台のフィルタリング用サーバを設置したが、それでも処理が追いつかない状態だった。しかし、この5月に米ePrivacy GroupのISP用スパムメール防止ソフトウェア、SpamSquelcherのベータ版を搭載してからは、サーバの処理能力の使用率が99%から、通常平均の40%に落ち着いたという。
SpamSquelcherは受信メールを分析し、「トラフィックシェーピング」と呼ばれる技術で、スパムメールの温床となっているブロードバンド接続を制御する。SpamSquelcherは、16日でベータ版の期限が終了し、今週より製品版リリースとなる。価格は電子メール・アカウント・ベースで、1万9000ドルから。
SpamSquelcherの強みは、受信メールの無作為なサンプリングとネットワーク分析に依拠している点だが、これが弱点につながる可能性もある。というのも、もしスパム業者が乗っ取った接続ネットワークを通って合法的なメールが送られてきた場合、そのメールも遮断するからだ。合法的なメールを送信しているか否かにかかわらず、迷惑メールを大量送信するサーバを「ブラックリスト」に載せてしまうためである。
しかし、ePrivacy Groupは、他のフィルタリングシステムより、SpamSquelcherが優れていると主張する。他のシステムでは、時折、問題のないメールをスパムメールフォルダーに振り分けてしまうことがある。これに対し、SpamSquelcherでは、最終的にスパムを含むすべての電子メールを受信する。しかし、スパム業者が使っている接続の帯域幅を狭めることにより、スパム業者は、メール配信に数時間や数日もかかるようになり、結果的にそのISPの利用をやめてしまう。
SpamSquelcherはまた、ISPがスパム対策として帯域幅を増加した結果、より多くのスパム業者に狙われてしまうという悪循環を断ち切ることもできる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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