株式会社東芝は6月13日、世界で初めてSOI基板(Silicon On Insulator)上でDRAM混載システムLSIを実現するメモリセル技術を開発したと発表した。2006年以降の実用化を目指す。
従来のDRAMメモリセルでは、SOI基盤上でのDRAM混載システムLSIに不向きだった。FBC(Floating Body Cell)と名づけられた新しいDRAM用メモリセル技術は、従来のものに比べ簡単な構造で、微細化に適するという。この技術を用いることで、45ナノメートル世代以降のDRAM混載システムLSIが実現可能になる。
これまで、電荷を蓄積するためのキャパシタとスイッチングのためのMOSトランジスタの2つで構成されていたDRAMセルは、FBCを使うことでSOI基盤上に形成したMOSトランジスタのフローティングボディに電荷を蓄積し、データを記憶できるようになる。MOSトランジスタ1つでスイッチング素子と記憶素子の2つの役割を果たすため、セル面積を半分にすることが可能だ。
東芝では、FBCの動作原理および回路技術を実証するために96KbitのADMを試作し、LSIレベルでの実証に成功した。今後、ブロードバンド時代に求められる大容量データを高速で処理可能なLSIとして、2006年以降の次世代高速ネットワーク機器への実用化を目指すという。
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