東京エレクトロンは11日、米DataPower TechnologyのXMLネットワーキング製品であるXA35 XML AcceleratorおよびXS40 XML Security Gatewayの2製品を、同日より国内にて販売すると発表した。これらの製品は、「Webサービスの拡大でXMLデータのやりとりが増加する中、データ量が従来ものより多いXMLデータ処理の高速化とセキュリティ機能の向上を実現するもの」と、東京エレクトロンのコンピュータ・ネットワークB.U.マーケティング・グループ事業開発担当、松永豊氏は説明する。
調査会社ZapThinkの予測によると、ネットワーク上の通信量でXMLトラフィックの占める割合は、2002年の2%から2006年には25%まで増加すると見られている。そこで注目されるのがXMLネットワーキングだ。XMLネットワーキングとは、ネットワーク機器がトラフィックをサーバに転送するだけであるのに対し、ネットワーク機器自体でXMLを理解し、処理できる能力をもつことである。
DataPowerはXMLネットワーキングですでに4年以上の実績を持つ企業だ。同社のXML処理技術のコアテクノロジー、XG3(XML Generation 3)は、スタイルシートに記述された処理を直接マシンコードにコンパイルするもので、他のインタプリタシステムより何倍もの高速処理が可能だという。この技術を採用したXA35 XML Acceleratorは、XML処理とXSLTの所要時間を削減し、アプリケーションのレスポンスとスケーラビリティを向上させることができるのに加え、サーバのXML処理負荷をオフロードすることでサーバの処理効率向上にもつながる。また、アプリケーションチューニングのための開発工数を削減することもできるという。
![]() |
|
東京エレクトロンのコンピュータ・ネットワークB.U.マーケティング・グループ事業開発担当、松永豊氏 | |
---|---|
いっぽうのXS40 XML Security Gatewayは、XML Webサービスに必要なフィルタリングや暗号化などのセキュリティ機能を一元的に提供する製品。これまでセキュリティ案件に変更が生じた場合、全てのアプリケーションに対して設計やコーディング、デバッグなどが必要だったのが、XS40はアプリケーションを一元的に保護するため、新たなコーディングは不要となる。
実際の商品デモでは、XSLTプロセッサ、Apache Xalanでサーバ上にてXML処理を行った場合と、XA35でネットワーク上にてXML処理を行った場合のスピードの比較を数字で表示した。そこでは同じデータをXMLからHTMLへ変換する場合、Xalanで51秒、XA35で7秒程度、またXMLからXMLへの変換の場合、Xalanで119秒、XA35で約3秒足らずというものであった。
製品の販売予定価格は、XA35 XML Acceleratorが980万円、XS40 XML Security Gatewayが1820万円。東京エレクトロンではこれら製品の販売に伴うシステム設計や運用などのサービスをトータルで提供する予定で、関連サービスを含め本年度末までに3億円の売上を見込んでいる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡