IPA、03年5月のウイルス&不正アクセス届出状況を発表

WebBCN (コンピュータ・ニュース社)2003年06月06日 10時15分

 情報処理振興事業協会(IPA、村岡茂生理事長)は6月5日、03年5月のコンピュータウイルスおよび不正アクセスの届出状況を発表した。

 5月の届出件数は、4月の1110件から約3割増の1458件となった。とくに、5月に出現した「W32/Fizzer」ウイルスは、310件もの届出が寄せられ、「W32/Klez」ウイルスの372件に続き、月間ワースト2となった。

 このウイルスは、メールの添付ファイルとして感染を拡大し、受信したユーザーが添付ファイルを開くことで感染する。感染すると、アドレス帳の登録アドレス宛にウイルスメールを自動的に送信するほか、キーボードからの入力情報を記録するプログラム(キーロガー)をインストールし、外部から第三者が侵入できる裏口(バックドア)を仕掛ける。

 そのため、感染したパソコンには外部から容易に侵入することができるようになり、パソコン内に保存してあるデータが盗まれたり、破壊されたりする恐れがある。

 なお、5月に届出のあったウイルスは45種類。6月6日から7月31日に発病する可能性がある主なウイルスは、「W32/Klez」(6月6日、7月6日に発病し、Cドライブのファイルを破壊)、「VBS/Haptime」(6月7日、7月6日に、拡張子が、.dll、.exeのファイルを削除)。

 5月の不正アクセス届出件数は34件(4月:36件)で、ほぼ同水準で推移した。届出のうち実害があった届出件数は8件で、その内訳は、侵入被害が3件、メール不正中継が1件、DoS(サービス妨害)攻撃が2件、その他(なりすましによる不正利用など)2件だった。

 なお、IPAのセキュリティセンターには、「InternetExplorerのスタートページが書き換えられた」、「掲示板のリンクをクリックしたら、次々と新しいページが開き、終了できなくなった」といった内容の相談が増えているという。

 IPAでは、「これらの被害の多くは、ActiveXやJavaスクリプトを悪用した不正プログラムなどによって引き起こされている。したがって、これらの機能を無効にしておくことで被害を防止できる」としている。

情報処理振興事業協会(IPA)

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