IBMは6月3日(米国時間)、TotalStorage SAN(Storage Area Network) Volume ControllerとSAN Integration Serverを7月25日に出荷すると発表した。SAN Volume Controllerには、ストレージ同士をまとめて仮想化(バーチャライゼーション)を行うためのソフトウェアが含まれている。同ソフトウェアは、Linuxが動作するIBMのxSeriesサーバ上にインストールされている。一方のSAN Integration Serverは、SAN Volume Controllerおよび、SANスイッチとストレージまでを含むパッケージ製品となっている。
IBM Storage SoftwareのゼネラルマネージャBrian Truskowskiによれば、企業のストレージ利用効率は平均して40〜60%にとどまっている。仮想化技術は、それを80%まで高めるものだという。
今回発表する製品群は、IBMのオンデマンド・コンピューティング事業への取り組みの一環として登場したもの。技術コンサルティング会社Clipper GroupのディレクタMike Kahnは、これが同時にほかのストレージ関連ベンダの仮想化用製品の売上拡大につながるかもしれないという。「これまでバーチャライゼーション用の製品を売る際に、その動機付けに苦慮していたと思う。今回の発表が、理由の正当化を助けるものとなることだろう」(Kahn)
同氏は、大企業がバーチャライゼーション製品導入におよび腰だった理由として、製品導入が新たな問題を引き起こすかもしれないと考えていたことを挙げる。バーチャライゼーション製品を販売するほかのベンダには、DataCore SoftwareとHewlett-Packard(HP)などがある。
IBMは、SAN Volume Controllerが複数のディスクアレイを制御可能なほか、あらかじめ装置上にプリインストールされた状態で出荷されることになると発表している。Truskowskiは「プラグ&プレイ型アプライアンス装置に非常に近いものだ」という。
Kahnは、企業がスタンドアロン型ソフトウェアよりも統合されたストレージシステムに興味を抱きつつあるという意見に同意する。「ストレージのトレンドは、明らかにより少ないインテグレーション(統合)を求める方向に進んでいることを感じている。インテグレーションは非常に複雑なものだからだ」
SAN Volume Controllerがターゲットとするのは、すでにSANシステムを所有している大企業のようなところである。製品価格は、最も下位クラスの組み合わせで6万ドルになる。一方のSAN Integration Serverは、逆にこれから初めてSANの導入を考えているような企業、もしくはすでにSANを導入している企業であっても、より効率的にSANの増強を考えているようなところを対象としている。その場合の基本価格は14万ドルになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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