米Hewlett-Packard(HP)が、「2006年までにデジタルプロジェクター市場の首位に立つ」とする目標を明らかにした。約1年前に市場に参入したばかりのHPだが、米国時間6月2日にプロジェクターの新製品を発表し、目標達成に向けた一歩を踏み出した。
この目標は、HPにとって壮大な挑戦といえる。デジタルプロジェクターの市場規模は60億ドルといわれているが、HPが昨年4月に最初のプロジェクター製品を投入してから、これまでに獲得したシェアはわずか2〜3%だからだ。
また、米Dell Computerや東芝などのパソコンメーカーも市場参入を果たしており、その道のりは決して平坦ではない。ちなみに、HPと合併する前の米Compaq Computerもプロジェクター製品ラインを持っていたため、合併当初はCompaqブランドも扱っていたが、今後はHPブランドのみの販売を予定しているという。
HPが今回発表したプロジェクターの新製品は、ハイエンド向けxp8000シリーズと、ローエンド向けvp6100シリーズ。xp8000シリーズの販売開始は来月を予定しており、価格はxp8010が4999ドル。vp6100シリーズは既に販売を開始しており、SVGA解像度のvp6110は1499ドル、XGA解像度のvp6120は1999ドル。
xp8010は、米Margi SystemsのプレゼンテーションソフトWireless Presenter-to-Goが付属し、Ethernetポートを備える。さらに700ドルを支払えば、802.11b準拠のワイヤレスネットワーク接続、デュアルカラーホイール、コンパクトフラッシュのメモリスロットなどを装備可能。コンパクトフラッシュを利用すれば、パソコンを介せずにプレゼンテーションをプロジェクターに投影できる。
HPは「プリンタ事業で培ってきた色彩再生技術が、プロジェクター市場で優位性を確保するために役立つ」と期待する。例えば、xp8000シリーズでは通常1つのカラーホイールを2つ使用することで、「より明るくオリジナルに忠実な色彩を再現することができる」(HP)。
さらにHPは、シェア拡大を図り、プロジェクター製品を家電市場に投入することも考えている。通常、プロジェクターはプレゼンテーションなどに使用されるが、プロジェクターの技術を応用した家庭用ホーム・シアター・システムを開発する可能性があるという。ただし「HPが家庭用ホームシアターに興味があるのは事実だが、計画の実行時期については話せる段階ではない」(HPのデジタルプロジェクター部門ワールドワイド・ビジネス・マネージャーのMark Van Order)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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