米America Online(AOL)は米国時間5月28日、米Dolby Laboratoriesのストリーミング技術、Dolby AAC(Advanced Audio Coding)を自社のインターネットラジオRadio@AOL/Radio@AOL for Broadbandで導入することを発表した。これまで利用してきた米RealNetworksのソフトウェアから乗り換える形だ。
AOLは過去数カ月間にわたり、Dolby AACへの切り換えを検討してきた。AACはMP3などの競合技術に匹敵する勢いをつけている。AOLが最終的に下した決定は、音声技術に関する長年の提携先であったRealNetworksを犠牲にすることだった。AOLは引き続き、別のサービス分野でRealNetworksの技術を支援するとしているが、両社の長年に及ぶ関係は弱体化することになる。
今回の乗り換えは、AOLが独自のウェブストリーミング技術Ultravoxを構築しようとしていることが大きな要因となっている。AOLはUltravoxについて、「より高速に楽曲をオンラインにのせ、多数の同時ストリーミング配信を効率化することができる」と宣伝している。
AOLはDolby AAC採用に併せて、UltravoxをRadio@AOL/Radio@AOL for Broadbandのストリーミング・メディア・プラットフォームとして導入する予定。この結果、ラジオ放送のロード時間を短縮する。そのほか、AOLのインスタントメッセンジャーを通じてステーション共有などもおこなえるという。
Dolby AACは数多くのオンライン音楽サービスで採用されている。米Apple ComputerのiTunes Music StoreではDolby AAC形式の音楽ファイルを配信しており、MusicNetでは「これまでに対応している多くの音声技術と同様に、Dolby AACもサポートする予定だ」(MusicNetのCEO、Alan McGlade)。なおMusicNetは、RealNetworks、米AOL Time Warner、ドイツのBertelsmann、米EMI Recorded Musicが立ち上げたサービスである。
映像データの圧縮方式MPEGを策定するMoving Pictures Experts Groupは、最新バージョンのMPEG-4でDolby AACを拡張仕様として承認しており、MP3やMicrosoftのWindows Mediaなどの音声形式にとって、手強いライバルとなりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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