電話大手の米SBC Communicationsの幹部は米国時間5月23日、ビデオとTV番組の配信サービスを電話線経由で提供する計画を明らかにした。ケーブルサービス各社がインターネットを基盤とした通話サービス販売の戦略をとっており、SBCの計画はこうした動きに対抗するもの。
SBCは数カ月前から、ケーブルTVのような会員制のTV放送やオンデマンドの映画配信などのサービスについて、調査を進めてきた。同社は先頃、衛星TV放送の米Hughes Electronicsの買収を試みている。また、情報筋によると、米Qwest Communications Internationalと米BllSouthは現在、ビデオサービスの試験提供を行っている段階だ。
今回の動きの背景には、通信放送業界で行われている新たなバンドルサービスがある。ケーブル会社も電話会社もそれぞれ各種のサービスを抱き合わせにして、低価格で提供し、新規顧客の獲得や既存顧客の引き止めを図っている。ケーブル会社は、TVとブロードバンド接続サービスを購入する顧客に対して割引を実施、電話会社も通話とブロードバンド接続を組み合わせた同様のバンドルサービスを提供している。
電話会社は最近まで、ケーブル各社が通話サービスをバンドルすることについてはあまり気にかけていなかった。しかし、VoIP技術の精度が高まるにつれて、ケーブル会社は通話サービスとケーブルTV、ブロードバンド接続サービスを1つのパッケージとして販売できるようになり、電話会社にとっては脅威になりつつある。
しかし、大手電話会社がケーブル会社の現在提供している画質に対抗できるよう自社ネットワークを改善するには、最長で10年もかかる可能性がある。この遅れは非常に大きいため、「大手電話会社は現在の計画を考え直す可能性がある」と米Blaylock & Partnersの通信担当上級アナリストのRick Blackは指摘している。また、いくつかの大手電話会社はビデオサービスの提供をすでに試みたが、失敗に終わっている。Blackによれば、「大手電話会社はコンテンツ提供にたけていない。やはり彼らは通信業者なのだ」。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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