米Sun Microsystemsが来月、新たなJava簡易開発ツールをリリースする見込みだ。Sun幹部は同ツールを「Javaに馴染みがあるものの、Javaの最新機能を修得していない開発者向け」と語っており、Microsoft陣営の開発者を自社側に取り込む構えを見せている。
Sunが開発したJavaは、高速処理が必要な財務プログラムや、大量データを扱うEコマースなどの複雑なシステムをはじめとする、広範なアプリケーションで利用されている。今回の新ツールは、「会社の部門単位で作動するアプリケーションなど、比較的単純なプログラムの開発に向ける」(Sun幹部)という。
このJava簡易開発ツールは、来月サンフランシスコで開催されるSunのJavaOne会議で展示される予定だ。JavaOne会議では、プログラミング作業の軽減を目指したJavaそのものの変更も取り上げるという。また、モバイルアプリケーションへのJava応用や、オープンソースのNetBeansツールなど、開発者関連プログラムへのJava拡張などの説明も行われることになっている。
アナリストは、「Sunにとって、Java開発の簡易化は、Javaでカスタムアプリケーションを開発するプログラマーを増やすための重要課題」と語る。「さらに大勢の開発者にとってJavaがもっと近づきやすいものになれば、Sunをはじめとするベンダーは、ポータルアプリケーションや統合ソフトウェアといったJava製品の売上を増やすことができる」(アナリスト)
また、Javaの簡易化は開発者をMicrosoftの開発ツール、Visual Studio.Netから引き離す手立てとしても欠かせない。Sunをはじめ、米IBM、米Oracle、米BEA Systemsなどのソフトウェアベンダーは、JavaやJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)仕様ベースの製品を販売している。一方で、Microsoftは.Net関連のツールやソフトウェアを展開している。
Sunのツール部門バイスプレジデント、Rich Greenは、「新ツールは、より視覚的な開発メソッドやWebサービス向けの設計、一連のXML規格に準拠したモジュラー・アプリケーション・コンポーネントなどが含まれており、Visual Basicツールを使いこなせるレベルの開発者向けとなっている」と語る。
さらに、新ツールはSunの上級開発者向けツール、Sun ONE Studioとも連携するようになっているという。「今後もJavaが他のプログラミング環境を上回る規模で導入されるよう、取り組みを行っていく予定だ」(Green)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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