米Microsoftが無料サービスを次々と停止している。いずれも自社のインターネットサービス、MSN 8への加入促進を目論んでの戦略だ。MSN 8では月額21ドル95セント(ダイヤルアップサービス込み)で、電子メールやインスタントメッセージング(IM)などの各種オンラインサービスが利用できる。
今週、Microsoftはオンラインの無料カレンダーサービス、MSN Calendarのユーザーに対し、「6月25日に無料サービスを停止する。6月24日までにMSN 8への加入手続きを取らない場合、サービスを利用できなくなる」(Microsoft)と電子メールで通知した。同社は2週間前にも、MSN Photoサービスのウェブサイトで「5月22日からサービスの提供をMSN 8加入者に限定する」と発表したばかりだ。
MicrosoftはMSN Calendarユーザー宛ての電子メールで、無料サービスの停止を連絡すると同時に、MSN 8ユーザー向けに強化したカレンダーでは、印刷機能やオフラインでのアクセス機能などが備わっていることを宣伝している。
MSNの幹部は「MSN 8の料金を支払っている顧客に優良なサービスを提供するための戦略の一部」と語り、「今後、有料サービスはMSNの純利益の大部分を占めると見込んでいる」と付け加えた。
Microsoftだけでなく、無料サービスを提供している企業の大半が有料化を再考し始めているという。特にMicrosoftは低迷するMSN事業を強化しようと必死だ。同社はかつての無料サービス、例えばHotmailの受信ボックス容量拡大などもすでに有料化している。「今後も、複数のサービスをMSN 8の独占提供にする予定だ」(Microsoft)
MSNの相次ぐ無料サービスの停止では、ユーザーへの連絡方法が徹底していなかった。MSN Photoサービスの停止にあたっては、サイトのフロントページに「MSN 8加入者のみにサービスを提供する」とのメッセージを掲載したのみだったため、無料サービスの停止を知らなかったユーザーの間で混乱が生じる結果となった。このため、MSN Calendarの場合は無料サービス停止の1カ月前にMSNサイトと電子メールで連絡を行い、さらに2週間前にもう一度メールするという万全策をとっている。
しかし、この親切な通知が、どれほど効果を生むか疑問だ。MSN Calendarユーザーのある男性は、「MSNはサービスの有料化を急ぎすぎてている。ユーザーの一部は同様のサービスが無料で利用できるYahoo!に移るだろう」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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