IBMは米国時間5月21日に、同社としては初となるLinuxベースのブレード・クラスタサーバIBM eServer Cluster 1350を発表する予定。同製品は、IBM BladeCenterシリーズのeServer x335/x345がベースとなったものだ。IBMによれば、導入と管理が容易になるよう、同社の工場で検証作業などが行われているという。製品の主なターゲットは、航空宇宙産業のような膨大な科学技術計算を必要とする会社だ。
「ハイエンドなコンピューティング環境を必要とする企業も含め、ユーザーはもはや独自のシステムを構築することに関心がない」とIBMバイスプレジデントのDavid Turekは語る。同製品は2003年6月6日に出荷される。
このようなクラスタシステムとブレードサーバの組み合わせは、ある意味自然な流れの中で生まれたものだ。クラスタシステムでは、しばしば何百台ものサーバが用いられている。一方のブレードサーバは、通常のラックマウント型のサーバに比べ、同じラック内での搭載密度が濃く、余分なスペースを消費しないのが特徴だ。それゆえ、クラスタの考えをブレードサーバに導入すれば、伝統的なクラスタシステムのアプローチよりも省スペースを実現可能になる。RLX TechnologiesやSGIは、すでに同様のシステムの販売を行っている。
Sageza GroupのアナリストCharles Kingは「IBMは盛り上がりつつあるスーパーコンピューティングの分野に注力しつつあり、それらの多くはLinuxベースのクラスタシステムが利用されている」と指摘する。
クラスタリングは生命科学の分野では一般的な手法だが、Kingによれば「同製品の登場が、クラスタリングをより身近なものにするだろう。もはや、研究機関だけで利用される技術ではない」という。 その理由の1つとして、同氏は導入コストの下落を挙げる。「数年前であれば1000万〜2000万ドルかかった導入コストが、現在ではごくわずかな金額で済むようになっている」
「IBMは、クラスタシステムへの門戸を一般企業にも広げることで、ライバルであるSun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)を出し抜く計画だ。彼らは、ハイパフォーマンス・コンピューティング市場が非常に大きな利益を生み出すものになると考えている」とKingはいう。同氏はまた、Dell Computerが同市場に参入して大きなシェアを確保するとも予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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