Linuxペンギン、宇宙へ?

 米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターの職員Patrick Moranは、NASAはソフトウェア開発の一部をオープンソースモデルに移行すべきとの提案書を、4月末に発表した。この提案書は、オープンソースソフトファンの間で高い人気を誇るサイトSlashdotでも、16日に大きく取り上げられた。

 Moranによると、オープンソースライセンスの下でソフト開発を行うことにより、開発の改善、協力体制の強化、能率の向上などの効果が期待できるという。

 「輸出管理や所有権の問題、さらに商品化に対する懸念から、ソフトによってはオープンソースになじまないものがあることは認識している。しかしNASAが手掛けるプロジェクトの中には、オープンソースディストリビューションになじむものが多く、導入するメリットは非常に大きいと考えられる」(Moran)

 この提案書が発表される以前にも、政府機関はもっと真剣にオープンソースソフトの導入を検討すべきとの議論がなされていた。昨年10月には、非営利企業のMITREが、米政府はオープンソースソフトがすでに民間および軍事機関で重要な役割を果たしていることを認めるべきとの提案を行った。

 MITREは提案の中で、オープンソースソフトは米国防総省において一般に認知されている以上に重要な役割を果たしているとし、仮にオープンソースの使用が禁止されれば、軍の情報セキュリティの質は一気に低下し、一方コストは急上昇するだろうと主張している。

 Moranは最新の報告の中で、オープンソースソフトのメリットとして、コードが一般に公開されているため、直接的な評価がより簡単に行える点を挙げている。さらにMoranは、オープンソースであればNASAのような政府機関が必要に応じてオープンソースプロジェクトに直接参加し、プロジェクトを継続させることも可能だが、プロプライエタリソフトの場合はそれは難しいだろうと語る。

 またMoranは、教育者が学校の教材として使用するためのソフト開発をNASAが頻繁に行っており、その大半はコスト重視でなければならないと述べた。

 提案書の中でMoranは、NASAがオープンソース開発構想に、Open Source Initiativeに承認されているMozilla Public License(MPL)の導入を検討するよう提案している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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