アドビシステムズは15日、先月末オープンしたばかりの六本木ヒルズ内にあるグランドハイアットにて、電子文書作成・管理ツール最新版のAdobe Acrobat 6.0日本語版を発表した。米Adobe Systems社長兼CEOのBruce Chizen氏は、「われわれのビジョンは、企業や個人間のコミュニケーションを向上させること。マルチメディアコンテンツに対応するなど、新製品ではPDFでよりうまく情報が伝えられる」と述べた。また、コンテンツマネジメントとドキュメントワークフローの市場規模がそれぞれ100億ドルと120億ドルとの調査結果をあげ、「ビジネスチャンスは大きい」と語った。
今回発表されたAcrobat 6.0は、ユーザーの目的にあわせて3種類に分かれており、ビジネスやエンジニアリング、クリエイティブのプロフェッショナルをターゲットとした「Adobe Acrobat 6.0 Professional日本語版」、一般ビジネスユーザー向けの「Adobe Acrobat 6.0 Standard日本語版」、PDF生成のみに機能を絞った「Adobe Acrobat Elements 日本語版」となる。
Adobe Acrobat 6.0 Standard日本語版では、ビジネスユーザー向けにMicrosoft Officeとの連携を強化している。WordやExcel、Power Pointなどの文書をクリックするだけでPDFに変換することができるほか、異なるアプリケーションで作成された複数のファイルも同時に選択してひとつのPDFファイルにまとめることができる。また、WordやExcelから作成したPDFに注釈などを追加し、再びWord、Excelにコメントつきで戻すことができる。このような機能でPDFでの共同作業がより簡単で効率的になるという。
米Adobe Systems社長兼CEO、Bruce Chizen氏 | |
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またInternet ExplorerにもPDF作成ボタンが付けられ、ボタンをクリックするだけでウェブ上のページをPDFに変換することが可能となっている。その際、ページのリンクはもちろん、Flashムービー、QuickTime、MP3、Windows Meta FileなどのマルチメディアコンテンツもPDFに埋め込むことができる。
Adobe Acrobat 6.0 Professional日本語版は、Standardバージョンの全ての機能に加え、プロフェッショナル向けにAutodesk AutoCADやMicrosoft Visioなどの専門的なアプリケーションからPDFファイルを作成する機能が備わっている。
ProfessionalとStandardは7月4日よりアドビストアなどを通じて発売される。価格はProfessional通常版が54,800円でアップグレード版が19,500円。Standardは通常版が34,800円でアップグレード版が12,500円。一方のElementsはライセンス販売のみで、アドビ製品を取り扱うパートナー企業より5月16日から発売予定だ。
Acrobat最新版の発表に伴い、アドビではWebなどで無償で提供しているPDF表示・印刷ツールのAdobe Acrobat Readerも最新版を発表し、同時に名称をAdobe Reader 6.0と変更した。最新版は、FlashやMP3などのマルチメディアコンテンツを埋め込んだPDFを閲覧することも可能。Adobe Reader 6.0は2003年6月中旬より同社サイトにて無償ダウンロードが可能となる。
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