日立、ノートPC用HDDの性能向上を実現

 米Hitachi Global Storage Technologiesは米国時間5月14日、新たなハードドライブ、Travelstar 7K60とTravelstar 5K80を発表した。同社は、2002年に日立製作所が米IBMのハードドライブ事業の資産を買収して設立した会社である。

 Travelstar 7K60は、直径2.5インチ(約6.3センチ)で、記憶容量が60GB。厚さは9.5mm、面記憶密度は最大500億ビット/平方インチ、平均待ち時間が4.2msで平均シーク時間は10ms。今月末に出荷する予定である。

 Hitachはハードドライブ内部のスライダーの小型化を進めることで、省電力消費や高速化を図るとともに、衝撃に対する耐性を高めた。通常、既存の2.5インチドライブの回転速度は5400rpmだが、Travelstar 7K60は7200rpmと速い上、消費電力は既存の5400rpmドライブと同程度だ。「高速化により、データ転送率が15%高まり、回転の平均待ち時間が20%短縮した」(Hitach)

 新ハードドライブに採用した「フェムト(femto)」スライダーは、従来より30%小さい。読込/書出ヘッドを支える部品で、ヘッドをディスク表面から浮かす役目を果たす。大きさは1mm×1mm未満で、「一般的なボールペンのボールと同程度のサイズ」(Hitachi)。小型で空気力学的にも優れているため、ハードドライブのアームがより高速かつ無理なく動く。

 Hitachiは、年内の出荷を予定している記憶容量4GBの1インチハードドライブにも、フェムトスライダーを搭載する。また、将来的には他のHitachi製ハードドライブに利用されているピコスライダーをフェムトスライダーに置き換える方針だ。

 ハードドライブの性能向上に努めるHitachiの戦略は、ノートパソコン市場で歓迎されるだろう。同社によると、米IBMは今夏、Travelstar 7K60をノートパソコン製品に採用する予定だ。他の大手メーカーもこれに追従する構えだという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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