米On2 Technologiesは米国時間5月12日、最新のビデオコーデック技術「VP6」を発表した。セットトップボックス、パソコン、ハンドヘルド機など各種のエレクトロニクス製品に向ける。
同社によると、「VP6は業界標準コーデックであるJVT/H.26Lの性能と品質を上回り、パソコン向けの主流技術であるDivX 5.05やWindows Media Player 9ソフトウェアより優れている」という。
VP6は、コンプレッサの制限を受けずにHD(high-definition)ディスプレイをサポートし、D1解像度でリアルタイムのエンコードに対応する。また、JVTやMPEG-4形式が必要とする高価なサブコンプレッサがなくとも、低価格のデジタル信号プロセッサで動作する。さらに、「従来版のVP5と比べて画質は最大40%向上し、CPU処理能力の使用率を最大50%削減できる」(同社)という。
VP6は、低価格プロセッサで高速再生を可能にするSimple Profileと、超低ビットレートで高画質を再現するAdvanced Profileの2つのバージョンを用意する。On2によれば、両バージョンとも、「いかなるデータレートでもエンコード/デコードが可能で、画像サイズの調整が行なえる」(同社)。
業界アナリストは、企業がどれほど性能向上を謳ったとしても、装置メーカーやコンテンツ企業などが採用するか否かが重要だ、と指摘する。その点、VP6は強力なバックアップを得ている。米America Online(AOL)は4月、これまでの技術提携を拡大し、VP6に関してOn2と包括的なライセンス契約を交わした。AOLは、コンテンツパートナー企業がAOLサービスで配信するプログラムのエンコード技術として、VP6を利用することを認める。また、VP6を利用してAOL会員に新たな製品やサービスを提供する方針だ。
さらにOn2は、ソニーの今年発表予定の新プラズマディスプレイ搭載TVにビデオコーデック技術を提供する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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