ディスクメーカーのWestern Digitalは13日、もともとサーバ用として発売していた最高性能ハードディスクWD Raptorを、パソコンマニア向けに小売販売し始めた。
同社によるとWD Raptorは、小売店や同社のオンラインショップで、249ドルの特別キットで販売されるという。
今回の販売計画は、自分のマシンをアップグレードしたり、自分でオリジナルの新品コンピュータを構築したいという、上級パソコンユーザーをターゲットとする新戦略。同社はこの戦略で、莫大な規模をもつハードディスク小売市場での勢力範囲を広げることも可能となる。調査会社NPD Techworldによると、ハードディスク小売市場は、昨年の売上が4億2500万ドル、容量に換算すると合計2億1800万ギガバイト(GB)に相当する大市場だ。
36GBのRaptorは、大衆向き製品というわけではない。同じくWestern Digitalのデスクトップ用ハードディスクCaviarシリーズは容量30GB〜250GBで、これに比べるとRaptorのストレージ容量は小さい。しかし同社は、ディスク容量よりも性能を重視する人々もいると主張している。同社によるとRaptorシリーズは、新しいディスクインターフェースSerial ATAと、毎分1万回転(rpm)という高い回転速度により、標準的なデスクトップ用ハードディスクよりも、データアクセスがはるかに高速だという。回転速度が高ければ高いほど、性能は向上する。
またRaptorは、平均待ち時間―データリクエストとその応答との間の時間のずれ――が2.99ミリ秒、データ読取りシークタイム―基本的に、データのありかを探すのにかかる時間のこと――が5.2ミリ秒という高い性能を提供している。Western Digitalのウェブサイトによると、価格が同じ、160GBのCaviar Special Editionハードディスクでは、回転速度が7200rpm、平均待ち時間4.2ミリ秒、読取りシークタイム8.9ミリ秒だ。またデータ転送速度は、Raptorが最大秒速150MB、Caviarが最大秒速100MBだという。
Western Digitalは、顧客のフィードバックに基づき、Raptorの小売に踏み切ったとしている。同社ではRaptorを、今年2月にサーバ用として発売していた。
「最高のコンピューティング機器を求める上級ユーザーが、わが社に多くの関心を寄せてくれた。自分のコンピューティングシステムに、昔から企業向けのSCSIハードディスクを採用していた上級のエンドユーザーは今、さらなる性能と安定性を求めてSerial ATAに注目している。Serial ATAはビデオ編集やデジタルオーディオアプリケーション、ハイエンドゲームなどを利用し、システム全体の性能を極限まで引き上げたいと考えるパワーユーザーのための、新しいインターフェースだ」と同社のマーケティング部門副社長Richard Rutledgeは声明で述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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