iTunesがネットジュークボックスに変身?:ハッカー語る

 Apple ComputerのiTunesソフトを使い、インターネット上で音楽をストリーミング共有する新たな方法が見つかった。

 iTune 4は、二週間前にAppleが始めた、オンラインMusic Storeサービスと同時にリリースされたもので、Rendevouzと名付けた技術を利用して、ネットワーク越しで音楽のストリーミング共有を可能にする機能が盛り込まれている。音楽ファイルをローカルディスクにダウンロードし保存することはできないが、ネットワークにつながった他のMacユーザーのハードディスク内にある楽曲を自由に聴くことができる。

 この機能の応用範囲を拡張して、LANのなかだけでなくネット全体でも音楽を流す方法を見つけたと、複数のプログラマーのグループが主張している。ネットにつながった他のMacのハードディスクを検索し、オンラインで音楽を聴けるようにしたと主張するウェブサイトやアプリケーション製作者もいる。

 「この機能はもともとiTuneに内蔵されていたが・・・我々は自分たちでそれを見つけ出さなくてはならなかた。そして、ウェブサービスにその機能を統合するのが大変だった。」と語るのは、Spaymac.comのウェブマスター、Kevin April。彼のサイトでは、先週独自の音楽共有のためのハブを開始している。

 こうしたサービスが登場してきたことで、AppleのiTunesは、同社が避けようと望んできた論争の渦中に置かれることにもなりかねない。AppleのiTunes Music Storeは20万曲を超える楽曲を取り揃え、一曲あたり99セントで簡単に曲を購入できる。音楽会社各社は、「合法的なオンラインでの音楽配信分野で大きな一歩となった」とこのサービスを賞賛している。

 少数の匿名のユーザーの間で、ネット越しに音楽を共有できてしまうという今回の発表で、iTunesがこの「合法的なオンライン音楽配信の実現」というビジョンから完全に逸脱したものと見なされるかどうかは、いまのところはっきりしていない。ファイルの共有機能が現実的なものとなるかどうかは、ユーザーの利用する回線の大域幅に依存する。そして、家庭で利用している個人ユーザーのMacからは、せいぜい二、三人にしか音楽を流せないだろう、とArilは語った。

 それにもかかわらず、この新しいサービスでは、曲を検索し、聞きたい局だけをラジオのように聞くことができてしまう。こうしたオンディマンドの音楽配信を行う際には、通常著作権保持者から特定のライセンスを取得しなくてはならない。そのためのライセンス取得コストについては、これまで長い間激しい戦いが、連邦議会や著作権管理団体の面前で繰り広げられてきており、その議論のなかには趣味で音楽を配信している個人放送者にもコストを請求すべきかというものも含まれる。

 Appleでは、ネット越しの音楽ファイル共有を可能とする機能についてはオンラインで情報公開しておらず、またそうした試みを正式にサポートしていない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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