Hewlett-Packard(HP)はタイにて、Linuxが動作する低価格のノートPC「people's notebook」を販売する。これは、同社が一般ユーザー向けにLinux搭載マシンを販売した初の例となる。
タイの日刊英字新聞Bangkok PostとNationが伝えるところによると、HPのカスタムメイドのLinuxノートPCは、タイ政府のPC普及率増加促進をサポートするものになるという。
このノートPCと、タイの現地企業が開発したデスクトップPCに対し、当局は補助金を出している。5月9日(現地時間)のBangkok Convention Centerは、実機を見て買い求めようとする人たちで溢れかえった。
HPのノートPCは1万9500バーツ(458ドル)で、Celeron-800MHzに128MBのメモリ、20GBのHDDを搭載する。CD-ROMやFDDは搭載しない。またタイの現地企業のBelta、SVOA、Computecの3社が開発したデスクトップPCは1万900バーツ(256ドル)で提供されている。こちらはCeleron-1GHzを搭載し、128MBのメモリ、20GBのHDD、52倍速CD-ROMを搭載し、15インチモニターとスピーカー、キーボードが付属する。
両PCとも、タイのICT(Information, Communications and Technology)省が推進しており、Linuxのタイ語バージョンであるLinux TLEを搭載している。
同省は「まず10万台のPCを出荷し、次のステップでは100万の大台に乗せることを計画している」と説明する。また、同省は地方銀行と共同で購入者の分割払い方法などを考案した。
首都バンコクのQueen Sirikit Convention Centreでは、5月9日の午前3時から3万人あまりの人が行列を作って待っていた。だが、それらはこれまでPCを所持する余裕がないような人たちを対象としていたため、多くの富裕な購買層はそのスペックを見て失望していたと、Nationは報告する。
いままでのところ、Linuxの主要な用途はサーバなどであり、コンシューマー向けPCの市場はMicrosoftのWindowsやAppleのMacintoshなどで占められていた。米国を拠点とする巨大なPCメーカーであるHP、IBM、Dell Computerのいずれも、LinuxをプリインストールしたデスクトップPCやノートPCをコンシューマー向けに販売していない。
台湾のECSのような小さなPCメーカーが、同社のDesknoteというバッテリーを搭載しない低価格ノートPCにオプションとしてLinuxインストールモデルを提供している。また米国メーカーのLindowsも、799ドルのLinuxノートPCを提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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