E3開幕直前、ゲーム機業界の今後の展開をアナリストたちが予想

 世界最大規模のゲームショー「Electronic Entertainment Expo(E3)2003」が5月14日から17日まで米国ロサンゼルスで開催される。毎年このショーの開催に合わせて各メーカーがゲーム機の値下げを行っており、昨年もSonyが開催直前に大方の予想通りの水準の値下げを行った。しかし今年は例年と違い予想が混沌としており、アナリストの間でも値下げは行われないとの見方がやや優勢だ。

 調査会社Zelos GroupのアナリストBilly Pidgeonは、各メーカーともゲーム機の価格については、すでに精一杯の値下げを行っており、今後はさらなる値下げではなく、ゲーム機本体にゲームソフト数本をバンドルして販売するといった別の販売促進策を模索していく可能性が高い、と指摘する。

 またハードの変更が行われる可能性も高い。Sony はすでにPlayStation 2の新モデルを発表しており、さらにPidgeonはMicrosoftもXboxの本体をスリム化した新モデルを発表すると予測する。

 調査会社IDCのアナリストSchelley Olhavaも、E3の開催に合わせてゲーム機価格の値下げが行われる可能性は五分五分と見る。Olhavaは「(値下げが行われるか否かは)どちらとも言えない」と述べた上で、最近本体とソフトの一括販売が売上増に効果的であることが分かってきた、と付け加えた。「連休後、一括販売に踏み切る企業が増えており、今後もしばらくこの傾向が続くだろう」(Olhava)

Xbox Liveの成り行きに注目

 今回のE3でゲーム機の価格以外で注目されるのが、Microsoftが昨年のこのショーで発表して大きな話題を呼んだオンラインゲームサービス「Xbox Live」の今後の展開だ。

 Olhavaは、MicrosoftはXbox Liveでプレイ可能な新作ゲームソフトのリストを示して業界を納得させる必要がある、と指摘する。

 またXbox Liveのアップグレードを望む声も多い。Microsoftは今週初め、同サービスの利用料を月額6ドル、年間一括申し込みの場合は50ドルとする新たな料金設定を発表した。ボイスチャット用のヘッドセットマイクや年間一括申し込みが含まれるスターターキットの価格は、当初の50ドルから70ドルに値上げされる。Pidgeonは、加入者の流出を防ぐという意味で年間加入プランの追加は賢い方法だと語る。

 Xbox本体の売上げが落ちこむ中、MicrosoftはXbox向けのキラーゲームの発表を迫られている。Olhavaは、Microsoftは昨年末に3億7500万ドルで買収した英ゲームメーカーRareが開発したゲームの販売促進に力を入れるだろうと予想する。

 またGameCubeの販売不振に苦しむ任天堂は、同社が独占する携帯型ゲーム機市場に力を入れていくと予想される。Pidgeonは、任天堂は新作ゲームソフト数本に加え、業界トップシェアを誇る同社の携帯型ゲーム機「Game Boy Advance」とGameCubeを接続するためのハード製品を発売すると見ている。

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