米インテル、ストックオプションの費用計上に抵抗

 年次株主総会が近づく中、米Intelがある議案を否決に持ち込もうと様々な策を講じている。その内容は、従業員のストックオプションを費用に計上するというものだ。

 この議案は、米国大工および建具師組合基金(United Brotherhood of Carpenters and Joiners of America Pension Fund)が提出したもの。損益計算書で従業員のストックオプションを費用計上することにより、企業の営業利益がより正確に把握できるとしている。現在の会計基準では、企業は従業員のストックオプションについて(1)損益計算書で費用として計上、(2)SECへの四半期報告書に脚注として表示、のいずれかを選択できる。

 Intelは米国時間5月8日、経営最高責任者(CEO)のCraig Barrettが従業員に宛てた社内通達を米証券取引委員会(SEC)に提出した。通達では「この議案が株主総会で可決された場合、ストックオプションを従業員に提供することが難しくなる」として、同議案の否決票を投じるよう促している。同氏は2週間前にもWall Street Journalに掲載の記事で、ストックオプションに関する現在の会計規準の利点と、(費用計上を義務づけるよう)変更した場合の「落とし穴」について述べている。

 また5月7日にはIntel会長のAndy Groveが、投資家に対して否決の協力を求める手紙を送付し、「(ストックオプションの費用計上は)我が社の会計報告の正確性と透明性が損なわれ、ひいてはIntel、株主、米国経済に損害をもたらす可能性がある」と訴えている。同氏はこれまで、ストックオプションの費用計上を要求する連邦政府に対し、声高に反対を唱えてきた。

 IntelはSECに提出した2003年第1四半期決算報告書に、「ストックオプションを費用として計上した場合、利益は約30%減となっただろう」と注記を添えている。

 Intel以外にも、多くのIT企業が株主による同様の議案に悩んでいる。米Hewlett-Packard(HP)と米IBMは今年、すんでのところで否決に持ち込んだものの、米Apple Computerでは努力の甲斐なく可決となった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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