米Intelは米国時間5月7日、米OracleがIntelのコンパイラを採用することを明らかにした。Oracleでは、IntelのXeonをはじめとする32ビットプロセッサや、Itaniumシリーズの64ビットプロセッサを搭載したWindowsならびにLinuxシステム向けソフトウェアの開発に、このコンパイラを利用する方針だ。
コンパイラは、C言語などで書かれた高レベルのソフトウェアを、コンピュータが理解できる命令に置き換えるプログラミングツール。特にItaniumファミリー搭載システム上では、コンパイラの質がソフトウェアの実行速度を左右する。コンパイラはデータベースなど高レベルのソフトウェアだけでなく、OSといった基本的なソフトウェアパッケージの構築にも利用される。
現在、Linuxプログラミングの世界では大部分がオープンソースのGCCコンパイラを利用しており、Oracleの決断はこの潮流に逆行するもの。また、WindowsではIntelのコンパイラがプラグインとして利用できるものの、米MicrosoftのVisual Studioツールの人気が高い。
カーネルと呼ばれるLinuxの中核の場合、GCC以外のツールを利用したコンパイルは困難だった。Intelは、LinuxカーネルとIntel製コンパイラでソフトウェアを構築したいという顧客の要望に応えるため、GCCとの互換性向上に努めている。
Intelが同社サイトで発表した資料によると、コンパイラのバージョン7.0はLinuxカーネルの構築に利用されているが、それはカーネルに特別な修正を加えた場合のみ可能となる。Intelはこの修正の必要をなくそうと、コンパイラに変更を加えることや、Linuxプログラミングのコミュニティと協力してカーネルの一部の機能を変更することを検討している。その一例として、Intelのプログラマーが同社製コンパイラを利用可能にするためのパッチをすでに提供している。
なお、Intelによると、最新のバージョン7.1では、Pentium Mプロセッサ向けに最適化したソフトウェアを開発できる。低消費電力を特長とするPentium Mは、ワイヤレスノートパソコン向け技術のCentrinoの構成要素である。
IntelのC++コンパイラはWindowsとLinux向けともに399ドル、FortranコンパイラはWindowsとLinux向けがそれぞれ499ドルと699ドル。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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