仏ビベンディ、ハリウッドに別れを告げる

 巨額の債務を抱え再建中の仏メディア企業Vivendi Universalは、米国側のエンターテイメント事業の大半を処分する計画だが、Universal Music Group部門をすぐに手放すつもりはないと、同社のCEOであるJean-Rene Fourtouが語った。

 これまで数週間にわたって同部門売却の噂が流れ、交渉相手の中にはApple ComputerやMicrosoftの名も挙がっていたが、そんななか現地時間4月29日にパリで開かれた同社株主総会の席上で、Fourtouは同部門の将来について具体的な計画を示さなかった。

 Vivendiは現在巨額の債務返済に負われているが、これは前CEOのJean-Marie Messierが水道・電気などを手がける仏のぱっとしない事業会社を、インターネット、テレビ、音楽、出版など、さまざまなメディアビジネスを傘下に持つ一大帝国に変身させようとした過程で背負い込んだもの。

 2002年には、Vivendiは320億ドルの売上に対して、260億ドルの純損失を計上している。だが、同社では2003年度に黒字転換を見込んでいると述べた。

 Fourtouは、Vivendiが今後仏側の通信事業に専心すると語ったが、そのなかにはケーブルテレビのCanal Plus、電話会社Cegetel、移動通信プロバイダーのSFRなどが含まれる。

 Vivendi Universalの副会長を務めるEdgar Bronfman Jr.は、この株主総会のなかで、過去一年以上にわたる多難な時期に、自らが果たしてきた経営上の役割を擁護した。出席者からの質問に答えて、Bronfman Jr.は「Messierを追放し、彼の無責任な経営ぶりを排除するために、一番最初に立ち上がったのは自分だった」と語った。Bronfman Jr.は元々SeagramによるMCAの買収を指揮し、また2000年後半に発表のSeagram、Vivendi、Canal Plusの三社による総額340億円に上る合併の際には、交渉を締結させる上で主導的な役割を果たした。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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